製油所・事業所・工場などからの直接・間接のCO2排出量削減を推進していきます。なお、主な製造現場で省エネ活動の進捗管理や好事例の横展開を行う会議を毎月実施しています。
2020年5月に千葉事業所において、重油直接脱硫装置(RH装置)の効率化改造工事を実施しました。この工事はIMO(国際海事機関)が定める船舶用燃料の低硫黄分規制へ対応を図るものです。
徳山事業所に高効率ナフサ分解炉を新設、2021年2月に商業運転を開始しました。高効率ナフサ分解炉は、原料であるナフサを短時間で熱分解することでエチレンの得率を高め、熱効率を向上させます。これにより、従来の分解炉によるエチレン生産時と比較し約30%の省エネルギー効果が発揮でき、年間約16,000tのCO₂削減に寄与します。ナフサは粗製ガソリンとも呼ばれる石油製品の一つで、分解炉を経由し熱分解することで、エチレンやプロピレンなどといった石油化学製品の基礎原料となります。
徳山事業所ではエチレン製造装置により年間約62万tのエチレンを生産し、主に周南コンビナート(山口県周南市)に供給しています。今回、エチレン製造装置内にある旧型のナフサ分解炉2基を停止し、高効率ナフサ分解炉1基を新設しました。
2020年度から国内の油槽所17拠点他にて、当社グループである出光グリーンパワー(株)提供のCO₂フリー電力(契約電力3,732kW)を使用することとしました。
当社持分法適用会社の株式会社INPEXノルウェーはノルウェー現地法人INPEX Idemitsu Norgeを通じ、権益を有するスノーレ油田において、浮体式洋上風力発電導入の開発計画をノルウェー政府に提出し、同政府から承認を得ました。今後、2022年末の運転開始に向け、2020年10月に浮体式洋上風力発電設備の建設を開始、その後ノルウェー西部のグレン(Gulen)地区で組み立て、洋上設置作業を行う計画です。当開発計画は、ノルウェー西部ベルゲン市の沖合約200kmの位置に、定格8千kWの浮体式洋上風力発電設備11基(計88千kW)からなる洋上ウィンドファーム(名称:Hywind Tampen floating wind farm)を建設し、石油ガス生産設備へ直接接続するというもので、世界初の試みです。
当社は今後も、先進的な技術を積極的に取り入れ、資源事業における環境負荷低減を推進していきます。