当社は、一般社団法人 日本経済団体連合会(以下、経団連)が日本政府と連携し、気候変動対策の国際的枠組み「パリ協定」が長期的なゴールと位置付ける「脱炭素社会」の実現に向け、企業・団体がチャレンジするイノベーションのアクションを、国内外に力強く発信し、後押ししていく新たなイニシアティブに参加しています。
経済産業省、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)が日本CCS調査(株)に委託して北海道苫小牧市で実施している「CCS実証試験事業」に協力してきました。CCSとは、発電所などから出る排気ガスに含まれるCO2を大気に放出する前に回収し、地中深くに圧入して封じ込める技術です。当社は2016年4月から実証試験事業で使用するCO2を含むガスを北海道製油所から供給するなどの協力をしてきました。2019年11月22日に当初目標としていた累計CO2圧入量30万tを達成しました。現在は圧入を停止し、漏えいなどのモニタリングを行っている状況です。
経済産業省が設置した「カーボンリサイクル技術ロードマップ検討会」に参画しました。当検討会は、カーボンリサイクルの技術開発を効果的かつ迅速に進めていくことを目的に設置されました。なお、2019年6月にロードマップが取りまとめられました。
NEDOの助成により次世代水素エネルギーチェーン技術研究組合(AHEAD)が進めている、世界に先駆けた国際間の水素サプライチェーン実証事業に協力しています。燃焼時にCO2を排出しない水素の大規模発電分野での活用の実現に貢献するものです。この事業は、ブルネイ・ダルサラーム国から輸送される液体(メチルシクロヘキサン)から、当社グループの東亜石油(株)京浜製油所敷地内にAHEADが新たに建設した実証プラントによって水素を分離し、2020年から京浜製油所内で使用する計画です。東亜石油の火力発電設備の燃料用途などに使用するもので、東亜石油敷地内でのAHEADによる脱水素プラントの建設への協力に加え、実証運転面(人員派遣、用役供給、水素使用など)で協力を行っており、実際に2020年4月から京浜製油所内で水素の使用が開始されています。
水素の利用推進に取り組む民間企業10社にて、中部圏における水素の需要拡大と安定的な利用のためのサプライチェーンの構築を目指し、水素の大規模利用の可能性を検討する協議会を立ち上げました。水素の導入ポテンシャル、コストなどのフィジビリティ・スタディを実施しています。