生物多様性保全の取り組みは、当該地域の自然との共生という観点から当社単独ではなく、当該地域コミュニティ関係者と連携して取り組みを進めていくことが重要だと認識しています。各地において地元の関係者とさまざまな連携をして取り組みを行っています。
北海道製油所では、企業などの法人が国有林の整備に参加して社会貢献・環境貢献活動を行う林野庁の「法人の森林」制度を1996年12月から利用し、当社保有の水源涵養保安林を「出光アッペナイ水源の森林」と名付けて管理しています。
また、2008年5月には、新たに苫小牧市内の分収造林4.5haを借り受け、翌6月に、市内の小学生102名を招待して植林体験学習を実施し、アカエゾマツ、シラカンバ、八重桜を6,500本植樹しました。この森林は、植林に参加した小学生から公募した「出光緑あふれる自然の森林(もり)」と名付け、森林整備を行っていきます。
愛知事業所は生物多様性を向上させ、生態系ネットワーク形成を推進する「命をつなぐプロジェクト」※の主要メンバーとして活動しています。
ソーラーフロンティア国富工場で使用している水は、日本最大級の照葉樹林帯で知られる宮崎県・綾町の地下水です。国富工場では、地下水を使用させてもらっているお礼の意味を込めて、綾町が官民一体で取り組んでいる照葉樹林の保護・復元活動に2005年から参加しています。2019年11月23日に照葉樹林の芽生えをシカの食害から守る「シカネット」を張る作業が行われ、国富工場から21名の社員とその家族がボランティアとして参加しました。慣れない山道で足場に注意しながら長さ140mものシカネットを張る作業は大変でしたが、澄み切った空気を全身で吸い込み自然のありがたさを感じる一方で、人の手を介して自然を保護する必要性をも体感しました。
2019年10月5日、「八代のツルを愛する会」が実施した「ツルのねぐら整備」に、徳山事業所内からボランティアが今年も参加しました。参加した15名の所員は、昨年の9羽を上回るナベヅルが飛来してくれることを願い、炎天下で山間の斜面の草を刈ったり、刈った草を集めたりしながら、丹精込めてねぐらの整備を実施しました。
当社は東京湾沿岸に立地する企業として、東京湾再生官民連携フォーラムに参画し、東京湾再生のための評価指標を作り、水質などに関連する調査などを通じて、東京湾の生物多様性の回復に取り組んでいます。