当社グループは、経営の原点として「人間尊重」を掲げ、創業以来一貫して「人が中心の経営」を実践してまいりました。すなわち、人権の尊重は欠くことのできない経営の根幹であり、全ての判断や行動において最優先させるべきことと考え、これを全役員、全従業員が遵守する「出光グループ人権基本方針」としています。
本方針に基づき、グローバルな人権課題については、各国・地域における文化、慣習、社会規範などを踏まえながら継続的に対応しています。また近年では、国内外のグループ関係会社やサプライチェーンにおける人権課題への対応として「人権デューデリジェンス」の取り組みにも力を入れており、グループ内及び関連する取引先における人権侵害リスクの所在を明確にするとともに、リスク低減に向けた対応や救済メカニズムの構築に向けた取り組みを強化しています。
さらに、海外・国内を包含する全世界で働く従業員を対象に、一人ひとりが持つべきコンプライアンスマインドの浸透と実践のために制定した「コンプライアンス行動規範」においても、いかなる人権侵害も許さず、人種、国籍、性別等の多様性を受け入れ、ハラスメントのない、健全で快適な職場を作ることを明記しています。
このような人権に関する一連の取り組みや活動内容については、ステークホルダーの皆さまに随時情報開示を行ってまいります。
出光興産株式会社
代表取締役社長
木藤 俊一
出光グループは、人が持つ無限の可能性を信じ、多彩な従業員が多様なステークホルダーとの共創を通じて世界の国々・地域にエネルギー製品・サービスを提供し、人々の明るく豊かな生活に貢献したいと考えています。
私たちのこの想いを実現していく上で、「人権の尊重は全ての判断や行動において最優先させるべきこと」と考えており、これを出光グループの全役員、全従業員が遵守する基本方針とします。そして、サプライヤーを含めたビジネスパートナーにも同様に、本方針のご理解と遵守を期待します。
本方針は、出光興産株式会社取締役会において承認されました。
2019年12月17日制定
当社グループは、「出光グループ人権基本方針」を制定し、日本国内はもとより、世界各国で事業を展開するに当たり、世界人権宣言ならびに労働における基本的原則および権利に関するILO宣言に表明されている国際的に認められた人権を尊重することを宣言しています。また、国連「ビジネスと人権に関する指導原則」にのっとり、人権デューデリジェンスを実施することを方針に定め、2020年から具体的な取り組みを開始しています。加えて、当社グループとして重視する9項目の人権課題を明記し、同一賃金同一労働などに関する法令を遵守すると共に、社内での啓発活動を進めています。こうした人権に関する一連の取り組みについては随時ウェブサイト等で情報開示を行っています。
人権尊重の取り組みは、総務部リスクマネジメント課が、関連部門や国内外の当社グループ各社と連携をとりながら活動を推進しています。人権に関する重要な取り組みや活動実績および課題は、適宜経営委員会および取締役会へ報告・提案しています。
当社グループでは、「出光グループ人権基本方針」にのっとり、人権デューデリジェンスを実施しています。2021年度から2022年度にかけて、関係会社へ調査票を用い、各社ごとに人権リスクへの対応状況の調査を行いました。調査票では現地における労働問題に関するリスク評価項目を含め、早期にリスクの所在を明らかにできる仕組みとしています。ILO(国際労働機関)中核的労働基準にて、特に深刻度が高いとされる4課題(強制労働・人身取引、児童労働、差別、結社の自由と団体交渉権)については、質問の回答後に調査が必要な関係会社には詳細を確認して実態を把握するとともに、必要な対策の立案と実行を進め、今後も定期的にチェックを行い、リスクの低減に努めていきます。
国内外の関係会社・関連会社総数258社のうち、清算予定の会社などを除く176社に調査をした結果、人権課題についてはリスク低減活動が全般に良く実施されており、低リスクが90%以上と評価された項目が多い結果となりました。一方で、以下の点に改善が必要なことが分かり、今後の課題として推進していきます。
上記課題を受け、今年度は特に人権基本方針の周知徹底に努めることとし、全社員対象のコンプライアンス研修や、新任役職者研修、海外赴任者研修等で、人権に関する教育を実施していきます。
当社グループでは、人権に関する案件を含む行動規範への違反または潜在的な違反に対応するため、役員と従業員向けの報告相談窓口(グローバル内部通報制度やコンプライアンス相談窓口、ハラスメント相談窓口)を設置しています。また、ステークホルダーについても、事業活動への懸念を通報できる窓口を設置しています。
当社グループは、企業理念および行動指針に基づき調達基本方針を定めています。その中で「サステナブル調達ガイドライン」を定め、当社ウェブサイト上でも公開しています。本ガイドラインにおいて、基本的人権の尊重、強制労働・児童労働・ハラスメントや差別の禁止など、人権に関する当社グループの考え方を明示し、お取引先とサステナビリティに関する取り組み状況について情報交換を行い、相互のレベルアップに努める、という方針を示しています。
当社グループは、「人権の尊重は全ての判断や行動において最優先させるべきこと」と考え、国際社会や地域社会と調和を図り、いかなる関係者に対しても差別行為を行いません。また、身体的、精神的を問わず、人の尊厳を傷つけるような言動や暴力を認めません。ハラスメントのない健全な職場環境の確保に向けて、従業員一人ひとりが理解を深め、全ての従業員の人権が尊重され、またその能力をいかんなく発揮できる職場環境を整えるために、ハラスメントの防止対策およびハラスメントが生じた場合の適切な対応に当たって基本方針を策定しています。また、人事部、総務部、経営企画部サステナビリティ戦略室が部室横断で具体的な取り組みを推進しています。
従業員からのハラスメントに関する相談に、適切な対応で応えていくスキルを学ぶため、2020年10~11月に、各部門および関係会社の人事担当役職者と相談対応担当者を対象として、「ハラスメント相談対応スキルアップ研修」を開催しました。計98名が参加し、相談を受けるときの心構えやポイント、相談者の心情への理解を深めることができました。
2018年12月から、セクハラ・パワハラ・マタハラなどのハラスメント撲滅を目的に、役職者を対象としたハラスメント防止研修を開催し、本社・事業所・支店の役員・役職者計1,065名(2020年9月末現在)が参加しました。研修会では、職場で起こるセクハラ・パワハラについて理解を深め、その防止に向けた役職者の役割を考える機会となりました。今後も、これらの研修を継続して、ハラスメントのない職場づくりに努めていきます。
ハラスメントのない健全な職場環境整備のため、全ての従業員に対して、ハラスメントを「しない、させない、許さない」ことを徹底するために、具体的な防止ガイドを作成し、全従業員に周知しています。