アンコンシャス・バイアスとは、誰もが持っている「自分自身では気付いていない物ごとの捉え方の偏りやゆがみ」のことです。リスク回避の側面では有効である一方で、無意識に決め付け、相手への押し付けが起きている場合は、職場や個人に対してネガティブに作用することもあり、D&I推進の阻害要因(女性社員などの成長機会や、イノベーションの機会の損失など)、ハラスメントの要因の一つと考えられています。当社グループは、D&Iは一人ひとりの違いや背景などを受け入れ、お互いを尊重することが原点であると認識しています。そこで、社員一人ひとりがアンコンシャス・バイアスに気付き、相手への理解や職場内のコミュニケーションの向上、イノベーションが生まれやすい風土づくりを目指す方策の一つとして、2020年度より、役員も含めたアンコンシャス・バイアス研修(eラーニング、対話型ワークショップ、講演会)を全社展開しています。
2021年度は、公募制の対話型ワークショップ「アンコン対話」を継続開催するとともに、関係会社や部室内での「アンコン対話」開催を後押しするなど、取り組みを拡充しています。
アンコンシャス・バイアス研修のSTEP1-①にあたるWebラーニング研修です。ここでは、役員、社員を対象に、①アンコンシャス・バイアス(=アンコン)とは何か、②自分自身が持つアンコンに気付く、ことを目的に行いました。受講率は9割以上となり、アンコンシャス・バイアス理解促進に繋がりました。
目的 | アンコンの基本知識を得る | |
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時期 | 2020/10/19~11/18 | |
対象者 | 役員、社員を対象:計 6,169名 | |
受講状況 | 受講者数 | 5,668人 |
受講率 | 92% | |
アンケート結果 |
回答者4,380人、回答率77% アンコンを理解できた・・・98%(4,754人)
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アンコンシャス・バイアス研修のSTEP1-②にあたる対話型研修です。
STEP1-① Webラーニングでの自身の持ってる無意識の思い込みを知ることに続き、多様な属性の参加者同士の対話を通じて、自ら考えて気づきを引き出し、行動変容に繋げていくことを主眼に置いています。
このワークショップのプログラムは関係役員、関係者にてトライアルを経てオリジナルの内容で作成しました。また、効果の高い対話開催を目指し、ファシリテーター教育を徹底しました。
目的 | 対話を通じて、職場におけるアンコンの悪影響につき理解を深め、行動変容につなげる |
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時期 | 2020/11/30~2021/3/17 |
対象者 |
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開催状況 | 全86回開催、計450名参加(内、必須参加者153名(参加率97.5%)) |
アンケート 結果 |
回答者数401人、回答率89% アンコン対話に参加して、期待以上、期待通りと回答・・・96%(385人)
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アンコンシャス・バイアス研修のSTEP2として、有識者による講演および当社役員等によるパネルディスカッションの二部構成で研修を実施しました。
事後アンケートにおいて、参加者の約98%が研修参加に対して好意的回答をしており、本研修の有効性を支持する自由コメントが多くみられました。
目的 | アンコンがもたらす組織運営上の影響や、経営におけるD&Iの重要性についての理解促進および職場風土改善に繋げる |
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時期 | 2021/3/4 |
対象者 | 主に役員、執行役員、役職者 |
参加状況 | 650名(役職者・執行役員・役職者:372名、担当者:278名) |
Step1(Webラーニング、アンコン対話)、Step2(役職者対象講演会)を踏まえ、施策を検討中です。
今後も、グループ会社への展開を含む、アンコン対話の拡充や、講演会などの施策を継続的に行うことで、職場内のコミュニケーション向上、イノベーションが生まれやすい風土づくりを目指します。
2018年10月から出光興産・昭和シェル石油の各部門などのニーズに合わせて開催し、これまでに延べ826名(2019年12月末現在)が参加しました。体験会では、職場で経験しがちなジレンマ(育児と仕事の両立など)をテーマに、グループ内でディスカッションすることで、メンバーと自分の考え方や価値観、大事にしていることの違いを認識します。今後も体験会を実施し、D&Iによる多様な人材の活躍を推進していきます。