万が一、火災・爆発などが発生した場合、製油所・事業所内外への被害を最小限に抑えるために、初期消火活動や拡大防止措置の実施が非常に重要です。そこで、防消火基礎理論に基づいた実践的訓練の積み重ねが重要との認識の下、防災要員の訓練に力を注いでいます。例えば、防災活動の基礎を座学で学び、実機での資機材取り扱いやホース展張訓練を計画に沿って実施しています。特に北海道製油所、千葉事業所、愛知事業所では、実火訓練場を使用した接炎訓練も実施しています。
2019年9月20日、千葉事業所は姉崎消防署と合同で総合防災訓練を行いました。地震によってナフサタンク浮き屋根部から火災が発生したという状況を想定した実践的な訓練に、地元町会長や姉崎消防団の約40名が見学に訪れました。見学者からは、所員の迅速かつ的確な防災活動や事業所のリスクマネジメント体制に感心したという声をいただきました。
2019年9月20日、愛知製油所(現:愛知事業所)は伊勢湾シーバースに着桟している大型タンカー「アポロエナジー」の緊急離桟訓練を行いました。この訓練は、南海トラフ大地震が発生した場合の大津波に対応するためのもので、第四管区海上保安本部と名古屋海上保安部も視察に訪れました。通常は3隻のタグボートで離桟を行いますが、緊急を想定した今回は2隻での曳き出しと自力航行に挑戦し、要領よりも5分早い15分で完了させることができました。
2019年6月5日、6日の2日間にわたり、石油コンビナート等災害防止法に基づき、中京地区広域共同防災協議会に所属する6社と協力会社7社の70名が参加して愛知製油所(現:愛知事業所)で放水訓練を行いました。訓練は、ベテランたちがこれまで培ってきた知識・技術を惜しみなく若手メンバーに伝える機会となり、世代を超えて防災への意識を高めることができました。
安全環境・品質保証部は新潟防災訓練所を有しており、社内はもとより業界各社などから毎年多数の受講生を継続的に受け入れています。訓練は、事業所で発生する設備別の火災を想定しており、理論(座学)と実践(実火訓練)により油火災の性質に適した初期消火法を習得することで、事業所の初期消火体制の強化を図っています。なお、本訓練所は貴重な体験や消火技術の習得ができる施設として各方面から高い評価を頂いています。