Message from Outside Directors

社外取締役メッセージ

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

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社外取締役

鈴木 純

2023年11月

ガバナンスの実効性を担保していく

サプライチェーンの最上流にあるエネルギー業界は、カーボンニュートラル実現のカギを握る重要な産業です。日本の経済と国民生活に大きな影響を与える重責を担う当社で、その経営に携わらせていただくことに、身が引き締まる思いと大きなやりがいを感じています。独立性とスキルをもって、ガバナンスの強化に貢献していく所存です。

6月の就任から取締役会に参加していますが、社外取締役の皆さんがそれぞれの立場から率直に意見を出し、非常に活発な議論が展開されています。まさに正しい取締役会の姿と言えます。ガバナンスにおいて最も重要なのは、オープンかつフランクに議論ができているかどうか――そういう意味で、当社はガバナンスの素地があり、さらに必要な仕組みや制度は全て出来上がっています。それらの実効性がしっかりと担保されているかどうかを、社外取締役として厳格に見ていきたいと考えています。

ベクトルを揃え「責任ある変革」を遂げる

2050年のカーボンニュートラルの実現に向けて、当社は日本の産業と国民生活を支えるという大きな責任を果たしながらトランジションし、変革を遂げていきます。その中で、さまざまな技術開発に取り組んでいますが、私の本業の技術的見地からしても、当社は非常に高い技術力を有しています。しかし、技術力が高いだけでは十分ではなく、それを社会実装して初めて、ビジネスになり、社会インフラになり得るのだと思います。自前主義だけでなく技術提携などのさまざまな手法を検討しながら、社会実装していくことが求められます。

そして、変革を遂げるためには、「出光興産には、こんな明るい未来がある」と変革後の未来をできるだけ具体的に描き、社員をはじめとするステークホルダーに広く理解を得る必要があるでしょう。それにより、向かうべきベクトルを一つにしてトランジションを果たすことができるはずです。

トランジションのために、当社はさまざまな選択肢を試し、成功に導いていかなければなりません。その時に、私たち社外取締役は、経営がベストな決定を下すためのより多くの材料を提供していくことが役割であると認識しています。取締役会では、株主総会以上の厳しいレベルでの議論を行い、ある時はアクセルとなり、ある時はブレーキとなって、執行のディレクションをサポートする役目をしっかりと果たしていきたいと考えています。

日本の現在を支え、未来を創る、非常に高いポテンシャルを持つ当社で仕事ができることに、私は大きな喜びと期待感を抱いています。「責任ある変革」に貢献すべく、尽力していきます。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

社外取締役 荷堂 真紀

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社外取締役

荷堂 真紀

2023年1月

ダイバーシティとインクルージョンで新しい絵を作り出す

2021年に発足したD&I推進委員会にアドバイザーとして参画して1年が経過しました。

当委員会では、ダイバーシティとインクルージョンを共に重要な柱として掲げています。当社が目指すのは、人財の多様性を進めることだけではありません。それぞれが個を尊重し互いに認め合うことで、全従業員が「価値を創造する」環境を作り上げていくことです。それがひいては自社の優位性や競争力を高めることにつながると私も信じています。

よって、ダイバーシティとインクルージョンのどちらか一方ではなく、両方を実現することが不可欠です。これらはいわばパズルのようなものだと考えています。さまざまな色や形のピースが存在すること(ダイバーシティ)は必要最低条件で、それらのピースをつなぎ合わせるという能動的動作(インクルージョン)があってこそ、パズルの絵を完成させることができます。将来に向けて事業ポートフォリオ転換に取り組んでいる当社の状況を鑑みれば、ダイバーシティとインクルージョンの双方なくして新しい絵を作り出すことは不可能です。取締役会としてもD&I推進委員会の活動に注目しています。

この1年間で、ダイバーシティとインクルージョンの両方を実現するために何が必要か、どう変わらなければならないかを明確化することができたと感じています。ダイバーシティにおいてはジェンダーに焦点をあて、課題の抽出と解決策の策定に注力してきました。これからの1年は実行に移すとともに、障がい・国籍・雇用形態などについても議論を進めてまいります。インクルージョンについては、目指すべき北極星を定めることができました。これからの1年は全社の目標値を一人ひとりの実行に落とし込むステージとなります。

当社のD&Iは航海を始めたところです。この航海は全乗組員の日々の行動を積み重ねることなくして目的地に着くことはできません。ダイバーシティとインクルージョンの双方において、今後の更なる進捗に大いに期待しています。

エネルギーをみんなにそしてクリーンに

SDGs(持続可能な開発目標)の7番目の目標は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。当社がエネルギーの安定供給という責務を果たしながら、この難題に取り組むことは、今後ますます重要になると考えます。

「エネルギーをみんなに」に関しては、地域の皆さまに文字通りエネルギーをお届けすることはもちろん、活き活きと生活するための元気やサービスを含めた広義の「エネルギー供給」ができれば、それこそが成功の絵姿です。

その取り組みの一例が「スマートよろずや」です。これは当社が有する重要なインフラである全国のサービスステーションを、地域に密着したサービスのハブとして活用する新たなビジネスモデルです。移動式キッチンカー、医療検診サービス、食料品販売、超小型電気自動車を使用したカーシェアリングシステムなど、従来では考えられなかったサービスを、デジタル技術を活用しながら提供しています。

最新技術やデータ解析の力をフル活用しながら、当社が強みとする地域に根付いた販売ネットワーク、日本全国を網羅する事業スケール、果敢に新しいことに挑戦する社風をミックスすることで、必ず将来にわたって地域の皆さまに安定的にエネルギーを提供することができると確信しています。

「エネルギーをクリーンに」については、従来の化石燃料だけではなく、気候変動問題への対応として新エネルギーへの転換を進めつつ、引き続きエネルギーを全国に安定供給できる仕組み作りに取り組まなければなりません。これは取締役会としても継続的に課題として認識し、今後も執行の皆さんに対応を提言してまいります。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ