Message from Outside Directors

社外取締役メッセージ

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

社外取締役 野田 由美子

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野田 由美子

事業ポートフォリオ転換に具体的な道筋を描く

社外取締役に就任させていただいてから約1年が経ちました。この間、ロシアのウクライナ侵攻、資源エネルギー価格の高騰、グローバリゼーションの変質など、わずかな間に世界は劇的に変化しています。以前から横たわっていた「脱炭素社会の実現」という石油業界にとって比類なき挑戦に加えて、新たな脅威と不確実性が当社の経営に突き付けられています。

「責任ある変革者」というミッションを掲げる当社が、このような中で社会と人々に対する責任をどのように果たし、カーボンニュートラルという未来をどのように実現するのか。答えは決して容易ではありませんが、社外取締役として投げかける外部からの視点による疑問や問題意識に対して、執行側から丁寧な説明がなされるとともに、真剣かつオープンな議論が交わされてきたことに敬意を表します。結果、当社の取り組むべき事業領域、投資などに関する取り組みが一層具体化したと考えます。こうした健全で実効性の高い取締役会運営こそが、ガバナンスの原点にほかなりません。

今後、事業ポートフォリオと事業モデルの転換に向けた具体的な道筋を描き、実行することが不可欠となっています。株主の皆さまをはじめ、お客さま、地域コミュニティ、従業員、地球環境など多様なステークホールダーに対して真摯に向き合い、当社が社会に必要とされる企業であり続けられるよう、高い期待を寄せると同時に、私自身も襟を正し、社外取締役として貢献してまいる所存です。

「責任ある変革」を前に進めてゆく

当社はエネルギー企業として、エネルギーの安定供給を通じて、地域の人々の日々の生活とわが国の産業活動を支えるという、大きな社会的責任を担っています。同時に、化石燃料がもたらす地球環境への影響を勘案すれば、ビジネスモデルの転換を図り、変革を進めることは、未来世代に対する責任にほかなりません。

化石燃料ビジネスに対する世界の投資家・金融機関の目は日に日に厳しくなっており、欧米のエネルギー企業も、化石燃料ビジネス依存からの脱却を急いでいます。

当社でも、リチウム電池用の固体電解質をはじめとする先進マテリアルや持続可能な航空燃料など、エネルギーならびにモビリティのトランジションを見据えた新たな事業の展開を進めています。

こうした取り組みを加速し、グリーン社会という新たな時代においても、引き続き地域の暮らしと産業を支える企業として、「必要とされる」存在でなければなりません。

グリーン社会への道のりには不確実性や予測不能な要素も少なくありません。だからこそ、世界の動きや政策の動向を敏感に捉え、株主の皆さまや投資家、地域社会の皆さま、産業のお客さま、さらには当社で働く従業員の声に耳を傾け、対話を通じて、共に「責任ある変革」を前に進め、実行することを期待しています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

社外取締役 荷堂 真紀

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社外取締役

荷堂 真紀

ダイバーシティとインクルージョンで新しい絵を作り出す

2021年に発足したD&I推進委員会にアドバイザーとして参画して1年が経過しました。

当委員会では、ダイバーシティとインクルージョンを共に重要な柱として掲げています。当社が目指すのは、人財の多様性を進めることだけではありません。それぞれが個を尊重し互いに認め合うことで、全従業員が「価値を創造する」環境を作り上げていくことです。それがひいては自社の優位性や競争力を高めることにつながると私も信じています。

よって、ダイバーシティとインクルージョンのどちらか一方ではなく、両方を実現することが不可欠です。これらはいわばパズルのようなものだと考えています。さまざまな色や形のピースが存在すること(ダイバーシティ)は必要最低条件で、それらのピースをつなぎ合わせるという能動的動作(インクルージョン)があってこそ、パズルの絵を完成させることができます。将来に向けて事業ポートフォリオ転換に取り組んでいる当社の状況を鑑みれば、ダイバーシティとインクルージョンの双方なくして新しい絵を作り出すことは不可能です。取締役会としてもD&I推進委員会の活動に注目しています。

この1年間で、ダイバーシティとインクルージョンの両方を実現するために何が必要か、どう変わらなければならないかを明確化することができたと感じています。ダイバーシティにおいてはジェンダーに焦点をあて、課題の抽出と解決策の策定に注力してきました。これからの1年は実行に移すとともに、障がい・国籍・雇用形態などについても議論を進めてまいります。インクルージョンについては、目指すべき北極星を定めることができました。これからの1年は全社の目標値を一人ひとりの実行に落とし込むステージとなります。

当社のD&Iは航海を始めたところです。この航海は全乗組員の日々の行動を積み重ねることなくして目的地に着くことはできません。ダイバーシティとインクルージョンの双方において、今後の更なる進捗に大いに期待しています。

エネルギーをみんなにそしてクリーンに

SDGs(持続可能な開発目標)の7番目の目標は「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」です。当社がエネルギーの安定供給という責務を果たしながら、この難題に取り組むことは、今後ますます重要になると考えます。

「エネルギーをみんなに」に関しては、地域の皆さまに文字通りエネルギーをお届けすることはもちろん、活き活きと生活するための元気やサービスを含めた広義の「エネルギー供給」ができれば、それこそが成功の絵姿です。

その取り組みの一例が「スマートよろずや」です。これは当社が有する重要なインフラである全国のサービスステーションを、地域に密着したサービスのハブとして活用する新たなビジネスモデルです。移動式キッチンカー、医療検診サービス、食料品販売、超小型電気自動車を使用したカーシェアリングシステムなど、従来では考えられなかったサービスを、デジタル技術を活用しながら提供しています。

最新技術やデータ解析の力をフル活用しながら、当社が強みとする地域に根付いた販売ネットワーク、日本全国を網羅する事業スケール、果敢に新しいことに挑戦する社風をミックスすることで、必ず将来にわたって地域の皆さまに安定的にエネルギーを提供することができると確信しています。

「エネルギーをクリーンに」については、従来の化石燃料だけではなく、気候変動問題への対応として新エネルギーへの転換を進めつつ、引き続きエネルギーを全国に安定供給できる仕組み作りに取り組まなければなりません。これは取締役会としても継続的に課題として認識し、今後も執行の皆さんに対応を提言してまいります。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ