Working Toward a Circular Society

循環型社会への取り組み

基本的な考え方

当社グループは、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の社会を変革するとともに、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を可能な限り低減する社会を形成することが、循環型社会実現の目的と考えています。再生可能な資源は、その再生能力の範囲内で再利用し、再生能力のない資源については、最大限有効な形で消費するとともに、長期時間軸では使用を抑制しつつ、再生可能な別の資源へシフトしていけるよう、さまざまな取り組みを推進しています。

当社グループは、各部室で保有している技術を基に、再生可能な資源をできる限り再利用し、事業サプライチェーンの中に取り込むことで、持続可能なサーキュラービジネスの実現を目指す検討を社内横断的に進めています。具体的には、プラスチックリサイクルや、長期的視点ではCO2を資源として取り扱うカーボンリサイクルの取り組みを行っています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

使用済みプラスチックリサイクル

2025年度に油化の事業化を目指しており、生成油は、石油・化学設備にて化学品にし、リニューアブル化学品として、供給を計画しています。併せて、原料となる使用済みプラスチックの調達に関し、(株)市川環境ホールディングス、前田産業(株)との業務提携の検討も開始し、年間2万tの使用済みプラスチックの再資源化を目指しています。

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ケミカルリサイクルで「ガンプラ」を支える

バンダイナムコグループが販売するガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」には、発売開始より関係会社であるPSジャパン(株)(PSJ)のポリスチレンが採用されています。「ガンプラ」は2020年に40周年を迎え、累計7億個以上を販売する大ヒット商品です。バンダイナムコグループが2021年に始動した「ガンプラリサイクルプロジェクト」に、PSJはケミカルリサイクルの面で参画しています。同プロジェクトは、「ガンプラ」の枠の部分「ランナー」を回収し、世界初のケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化を目指すものです。
ケミカルリサイクルの技術は、使用済みポリスチレン製品を熱分解し、その原料であるスチレンモノマーに戻す最先端の技術で、今後PSJが実証実験を積み重ねて確立させていきます。

プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律への対応

2022年4月1日施行の「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」に基づく、当社の各年度(2021, 2022年度)の廃プラスチック排出量は以下の通りです。

2022年度 廃プラスチック排出量 計836t
2021年度 廃プラスチック排出量 計1,074t

2019年に政府が策定した「プラスチック資源循環戦略」の中で、「2030年までにワンウェイプラスチックを累積25%排出抑制すること」をマイルストーンの一つとしており、それを達成するために廃プラスチック排出量を期間平均で年3%程度削減していかなければなりません。そのために、当社は以下の実施事項に取り組んでいきます。

  1. 長期間使用に努める。
  2. 過剰な使用を抑制する。
  3. プラスチック製品を廃棄する場合、健全な部分は継続使用に努める。

また当社では毎年、環境管理能力向上研修にて「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」についての従業員教育を実施しています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

ソーラーパネルリサイクル

使用済み太陽光パネルは2030年代から急増することが予想されています。当社グループのソーラーフロンティア(株)では太陽光パネルのリサイクル技術開発を進めており、マテリアルリサイクル率90%以上を実現し、2024年度に事業化することを目指しています。

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

全固体リチウム電池リサイクル

EV普及に伴い、リチウムをはじめとする原材料が長期的に需給逼迫見込みであり、廃電池のリサイクルスキームの検討を通じ、将来的に全固体電池バリューチェーンの付加価値向上を目指しています。

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

カーボンリサイクル

カーボンリサイクルとは、CO2を炭素資源(カーボン)と捉え、CO2からさまざまな炭素化合物を生成することで、化学品や燃料、鉱物などに再利用する取り組みです。当社は、国が主催するカーボンリサイクル技術ロードマップ検討会の委員として参加するとともに、現在、炭酸塩化、CO2電解還元技術などの研究開発を行っています。

炭酸塩化

当社は、宇部興産(株)、日揮ホールディングス(株)、日揮(株)、複数の大学の参画の下、産学協働の取り組みとして、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、火力発電所や工場から排出されるCO2を資源へ転換する新技術開発を目指す「CCSU(Carbon dioxide Capture and Storage with Utilization)研究会」を2019年に設立しました。国が地球温暖化対策としてCO2回収などの技術開発を推進する中、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、CO2と反応させて炭酸塩化および高付加価値化するという新たな技術開発に取り組んでいます。
2020年7月には、「廃コンクリートなど産業廃棄物中のカルシウムなどを用いた加速炭酸塩化プロセスの研究開発」がNEDOの研究開発委託事業として採択されました。本事業の委託期間は2020年度から2024年度の5年間で、廃コンクリートなどカルシウムを多く含む産業廃棄物から原料となるカルシウムを抽出し、排ガス中のCO2と反応させて固定化させるプロセスの実用化と普及を目指した技術開発を行います。また、カルシウム分の抽出と炭酸塩化の効率を高めるため、加速炭酸塩化技術について試験・評価を実施するとともに、プロセス全体の最適化を図りながら技術を確立させ、CO2削減効果を評価していきます。
今回の事業採択を受け、発電所や工場から排出されるCO2の固定化に係る新たな技術を産学官の協働により開発するとともに、原料調達から用途開発に至るまでの幅広い領域で、社会実装に向けた取り組みを加速します。

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CO₂資源化

当社はこれまでに、独自開発した触媒を使ったガス拡散電極を用いて、水とCO2から炭化水素やアルコールの直接合成に成功しています。従来、CO2を一度水に溶かした状態で反応させる方式が多かった中、CO2をガスのまま直接反応させることができるガス拡散電極を採用したことが特徴です。このガス拡散電極を用いたCO2資源化技術(電解還元技術)において、電極触媒の高性能化・低コスト化・貴金属フリー化・長寿命化などにより、CO2処理能力をさらに高める開発を進めています。
このガス拡散電極を用いたCO2電解還元技術の研究・開発をさらに進め、再生可能エネルギーを用いて、CO2から高効率で化学品や燃料などの有用物質を製造する技術を確立し、CO2の再利用による2050年カーボンニュートラル実現への貢献を目指します。

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