Response to Circular Economy 循環型社会への対応

循環型社会への対応

循環型社会に関する考え方 

当社グループは、これまでの大量生産、大量消費、大量廃棄の社会を変革するとともに、天然資源の消費を抑制し、環境への負荷を可能な限り低減する社会を形成することが、循環型社会実現の目的と考えています。再生可能な資源は、その再生能力の範囲内で再利用し、再生能力のない資源については、最大限有効な形で消費するとともに、長期時間軸では使用を抑制しつつ、再生可能な別の資源へシフトしていけるよう、さまざまな取り組みを推進しています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

プラスチックリサイクル

当社は、環境エネルギー(株)と、当社千葉事業所における廃プラスチックリサイクル事業の実証検討に合意しました。本実証は、環境エネルギー社の廃プラスチック分解技術と千葉事業所の石油精製・石油化学装置を活用し、従来の技術では再生困難だった混合プラスチックのリサイクル(再資源化)を目指します。

図

原油精製からプラスチック製造までを一貫して行っている当社は、その強みを活かし、廃プラスチック油化によるリサイクルを実現することで、低炭素社会への貢献に積極的に取り組んでいきます。
また、海洋プラスチック問題はサプライチェーンを担う各社全体での取り組みが必要であり、当社は2つの業界団体に加入して情報の共有化、探索を開始しています。また、社内においても海洋プラスチック問題について啓発活動を行っています。

海洋プラスチック問題対応協議会(JaIME)
日本の化学関連5団体(日本化学工業協会、日本プラスチック工業連盟、プラスチック循環利用協会、石油化学工業協会、塩ビ工業・環境協会)が設立
クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)
プラスチックサプライチェーンから361社・団体が参加(2020年8月27日時点)
ケミカルリサイクルで「ガンプラ」を支える

バンダイナムコグループが販売するガンダムシリーズのプラモデル「ガンプラ」には、発売開始より関係会社であるPSジャパン(株)(PSJ)のポリスチレンが採用されています。「ガンプラ」は2020年に40周年を迎え、累計7億個以上を販売する大ヒット商品です。
バンダイナムコグループが2021年に始動した「ガンプラリサイクルプロジェクト」に、PSJはケミカルリサイクルの面で参画しています。同プロジェクトは、「ガンプラ」の枠の部分「ランナー」を回収し、世界初のケミカルリサイクルによるプラモデルの製品化を目指すものです。
ケミカルリサイクルの技術は、使用済みポリスチレン製品を熱分解し、その原料であるスチレンモノマーに戻す最先端の技術で、今後PSJが実証実験を積み重ねて確立させていきます。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

ソーラーパネルリサイクル

NEDOが実施する「太陽光発電主力電源化推進技術開発/太陽光発電の長期安定電源化技術開発」事業において、当社グループのソーラーフロンティア(株)の提案する「結晶シリコンおよびCIS太陽電池モジュールの低環境負荷マテリアルリサイクル技術実証」が共同研究事業として2020年8月に採択されました。
使用済み太陽電池モジュールは、2030年代から急激に増加することが予想されており、NEDOの推計によると、排出量のピークを迎える2035~2037年頃には、年間排出量が約17万~28万tになると試算されています。こうした背景から、ソーラーフロンティアでは太陽光発電の健全な普及拡大の推進策として、低コストかつ環境負荷の低いリサイクル技術の確立が重要であると捉え、2010年より継続的に、CIS薄膜太陽電池モジュールのリサイクル技術開発を進めてきました。
2019年度に取り組んだ、NEDOとの共同研究事業「合わせガラス型太陽電池のマテリアルリサイクル要素技術開発」においては、これまでの研究開発や技術実証で確立した低コスト分解処理技術をベースとして、マテリアルリサイクル率を約90%まで向上させる可能性について確認しました。
この度、採択されたNEDOとの共同研究事業では、2019年度の研究開発で確立した技術を、より低コストで環境負荷の低いリサイクル技術へと進化させていきます。
具体的には、2020年度から2023年度までの4年間で、CIS薄膜太陽電池に加えて、結晶シリコン系太陽電池のリサイクル技術開発にも取り組み、分離処理コストをCIS薄膜太陽電池、結晶シリコン系太陽電池を問わず3円/W以下とすることを目指します。また、マテリアルリサイクル率90%以上を実現するために分離した部材の用途開発に取り組みます。ソーラーフロンティアの国富工場(宮崎県国富町)に、市販サイズのモジュールを処理する実証プラントを構築し、最終年度までには目標としたリサイクル技術を連続運転にて実証する予定です。

写真
写真
出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

カーボンリサイクル

カーボンリサイクルとは、CO2を炭素資源(カーボン)と捉え、CO2からさまざまな炭素化合物を生成することで、化学品や燃料、鉱物などに再利用する取り組みです。当社は、国が主催するカーボンリサイクル技術ロードマップ検討会の委員として参加するとともに、現在、炭酸塩化、人工光合成などの研究開発を行っています。

炭酸塩化

当社は、宇部興産(株)、日揮ホールディングス(株)、日揮(株)、複数の大学の参画の下、産学協働の取り組みとして、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、火力発電所や工場から排出されるCO2を資源へ転換する新技術開発を目指す「CCSU(Carbon dioxide Capture and Storage with Utilization)研究会」を2019年に設立しました。国が地球温暖化対策としてCO2回収などの技術開発を推進する中、カルシウムなどを多く含む産業廃棄物を活用し、CO2と反応させて炭酸塩化および高付加価値化するという新たな技術開発に取り組んでいます。
2020年7月には、「廃コンクリートなど産業廃棄物中のカルシウムなどを用いた加速炭酸塩化プロセスの研究開発」がNEDOの研究開発委託事業として採択されました。本事業の委託期間は2020年度から2024年度の5年間で、廃コンクリートなどカルシウムを多く含む産業廃棄物から原料となるカルシウムを抽出し、排ガス中のCO2と反応させて固定化させるプロセスの実用化と普及を目指した技術開発を行います。また、カルシウム分の抽出と炭酸塩化の効率を高めるため、加速炭酸塩化技術について試験・評価を実施するとともに、プロセス全体の最適化を図りながら技術を確立させ、CO2削減効果を評価していきます。
今回の事業採択を受け、発電所や工場から排出されるCO2の固定化に係る新たな技術を産学官の協働により開発するとともに、原料調達から用途開発に至るまでの幅広い領域で、社会実装に向けた取り組みを加速します。

図
CO₂資源化

当社はこれまでに、独自開発した触媒を使ったガス拡散電極を用いて、水とCO2からメタンなどの炭化水素の直接合成に成功しています。従来、CO2を一度水に溶かした状態で反応させる方式が多かった中、CO2をガスのまま直接反応させることができるガス拡散電極を採用したことが特徴です。このガス拡散電極を用いたCO2資源化技術において、電極触媒の高性能化・低コスト化・長寿命化などにより、CO2処理能力をさらに高める開発を進めています。
このガス拡散電極を用いた人工光合成の研究をさらに進め、2030年までに再生可能エネルギーを用いて、CO2から高効率で炭化水素やアルコールなどの有用物質を製造する技術を確立し、CO2の再利用による持続可能な社会への貢献を目指します。

図
出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ