石油化学原料・製品を生産・供給している当社グループは「品質保証基本要綱」「安全衛生環境基本要綱」を定め、化学物質の事前リスク評価、生産工程および製品からの有害物質の削減・排除に取り組んでいます。また製品含有化学物質情報の提供を通じて、生産工程の作業者や製品使用者の安全性向上に努めています。PRTR物質、PCB、フロンなどの化学物質に関する日本国内、海外の法規制の厳格化に遅滞なく対応し、人の健康への影響や、生態系など環境にもたらす悪影響も最小限に抑えています。
PRTR法※1で規制されている物質(HAP※2、POPs※3含む)のうち、原油、石油製品、石油化学用原料などに含まれてい るベンゼン、トルエン、キシレン、ノルマルヘキサンなど揮発性の高い物質は、貯蔵タンクへの受け入れ・払い出し時やローリー・船への製品出荷時に、一部がVOC※4として大気中に排出されてしまいます。当社グループはそれらの化学物質を揮発の少ない浮き屋根式タンクで貯蔵し、製品出荷時にVOCを回収するなど、排出の抑制に努めています。化学物質の事業所外への移動分についても、廃棄物処理法に基づいて適正に処理しています。
PCB特別措置法に基づき、PCBを含む油やそれらを含有する変圧器などの機器を、製油所・事業所などで適正に保管・管理しています。同法および国のPCB廃棄物処理基本計画では、PCB廃棄物の処分期間が定められており、当社グループでも適正に順次処理を進めています。
2020年4月1日施行のフロン排出抑制法にのっとり、当社グループではフロン類の漏えい防止を図っています。オゾン層破壊作用のあるHCFCが使用されている製油所・工場の大型プロセス機器については、定期補修時の更新を検討しています。