Human Resource Development

人財育成

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

基本的な考え方/教育体系

基本的な考え方

人の育成を経営の目的に据え、企業理念・行動指針に基づいた教育研修体系を2020年に策定しました。行動指針を高い次元で体現していく人財を増やすため、行動指針のうち特に高めていきたい「自立・自律」「変革」「共創」およびそれらの軸である「成長」については「高めていく発揮能力」として、さらに詳細に設定しています。「先見」「挑戦」「決断」「協働」「完遂」「改善」「育成」という7つの観点において求める姿勢や行動のレベルを細かく定義しており、自身の現在のレベルを振り返るとともに、成長に向けて行うべきことを明確にすることが可能となっています。

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教育研修体系の全体像

教育研修体系のベースは、発揮能力を高めるための「コンピテンシー開発」と考えています。加えて、当社では単なる職務上の成長だけでなく、人間としての成長も支援していきたいと考え、教養を高めるためのプログラムや、異なるライフステージの社員を支援するプログラムも準備しています。全ての社員が「自身が主役である」という意識を持てるよう、積極的な姿勢で、社会に貢献する人材に成長することを期待しています。

2022年度教育体系
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教育研修実績

2021年度も新型コロナウイルス感染症の影響によりオンライン中心の研修となりました。オンラインのメリットを生かして、社内風土醸成にも寄与するインクルージョン研修を大規模に実施しました。

2022年度も「コンピテンシー開発」「経営人財の育成」「グローバル人財の育成」「その他の成長支援」にて職務および人間的な成長を支援しています。また、徐々に、集合対面型の研修も増やしています。

2021年度の研修時間・投資額実績
研修時間(時間) 総時間 81,653
一人当たり 16
研修投資額(千円) 総額 235,400
一人当たり 45
出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

具体的な取り組み

コンピテンシー開発
メンター研修

2019年度から新入社員育成の目的に、メンター制度を導入しています。「メンター」とは育成指導役の先輩社員のことであり、その育成指導力向上を目的として、2019年10月からメンター研修を実施し、108名が参加しました。新入社員に、各自のメンターの育成指導についてアンケートを行い、研修中にその結果を参加者にフィードバックすることで、メンターの意識向上にもつながりました。

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インクルージョン研修

個々の潜在能力を最大限に引き出すための心構えやスキルを学び、新たな価値創造を起こせる社員を育成することを目的に、2020年度よりインクルージョン研修を実施しています。
2020年度は担当者を対象に実施し、135名が参加しました。2021年度はさらに対象者を拡大し、役職者から担当者まで幅広く対象にして、7カ月にわたって10回(半日×4日/回)、実施します。
アンコンシャス・バイアスの自覚を促したうえで、発信力・傾聴力、コーチング・フィードバック、ファシリテーションといったスキルを学びます。
アンコンシャス・バイアスを意識してスキルを職場で活用し、多様な意見をぶつけ合うことで、変革の芽が生まれ続ける風土づくりを目指します。

経営人材の育成
リーダーシップ形成を目的とした異業種交流研修

自己の信念に基づいたリーダーシップを発揮できる人材の育成を目的として異業種交流研修を2016年度から実施しています。
2020年度は、他社(日用品業界・保険業界・小売業界)と共催で実施し、各社の中堅社員(4社合計 約30名)が参加しました。
半年にわたる研修では、異業種の社員との相互学習を通じて多様な価値観や考え方に触れ、未来への創造的な構想力を身に付けます。併せて自社DNAの体現という使命感、次世代を担う自分らしいリーダーシップの在り方を体験を通じて修得しています。

グローバル人材の育成
実践的な英語学習の機会の提供

希望する社員を対象に、各自の語学レベルに応じたレッスンを提供しています。受講料の一部を会社負担とし英語学習の機会を提供しています。またTOEIC受験料を会社が負担し(上限年2回)、自身の語学レベルを測る機会を提供しています。

その他の成長支援
セルフキャリアドック(キャリアの定期健診)

世代別のキャリア開発研修を入口として、国家資格であるキャリアコンサルタントとの面談、職場の直属上司との面談を1サイクルとして、定期的に自身のライフキャリアを見つめ、自己理解を深めることで、将来に向け自分らしいライフキャリアの構築につなげる仕組みを提供しています。

対象世代 2022年度
上期受講者数
2022年度下期
受講予定者数
合計
入社2~4年目 29 18 47
30才前後(28~32才) 48 33 81
40才前後(38~42才) 42 16 58
50才前後(48~52才) 33 20 53
55才前後(53~57才) 33 37 70
185 124 309
出光のセルフキャリアドックの流れ
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セルフマネジメント研修

役職定年予定の方を対象に、役職退任後の働き方について考える研修を実施しています。

オンライン学びコミュニティSchoo(スクー)

各自の強み・課題に応じて自己研鑽できるeラーニングを導入し受講料を全額会社が負担しています。社員は、各自が高めたいテーマの講座(ビジネススキルや思考術、語学、経済・社会、リベラルアーツ、DX)を受講することが可能です。

通信教育

ビジネススキルや思考術、語学の他に、部門固有で必要とされる専門資格取得のための通信講座を提供しています。テキストによる学習や、レポート作成を通じてスキルアップを図ります。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

ライフキャリア形成

ライフキャリアサポートセンター

ライフキャリアサポートセンター(LCSC)は、2021年7月に「社員一人ひとりの自律的なキャリア形成」を支援することを目的に設立しました。社員のライフキャリアに関する相談は、上司・部下の縦のラインだけでなく、LCSCに常駐するキャリアコンサルタント(国家資格保有者)にも、いつでも相談することができます。LCSCは評価・処遇といった人事権を持たず、守秘義務がある専門相談窓口として相談対応を行っています。相談を受け付けたキャリアコンサルタントは、社員との対話を通じて、当人のライフキャリアの新たな視点や、気付きを促しています。また「非常勤アドバイザー」を社内から選任し、多様な相談に応える支援体制としています。相談内容に合わせ、キャリアコンサルタントとの2者面談の後に、相談者の同意のうえ、非常勤アドバイザーを交えた3者面談もコーディネートします。

2021年7月~22年9月末までの相談実績は230件です。LCSCでは個別面談を通じ見えてきた課題への対応として、「部室長のキャリア公開」、「ライフキャリアフォーラム開催」等のキャリアを考える機会づくりや、上司向けに「傾聴」の大切さを再確認するための面談力強化演習にも取り組んでいます。

ライフキャリアサポートセンターの位置付け
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キャリア相談の支援体制
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部室長のキャリア公開(「私のキャリア」)

2022年4月から「社員一人ひとりの自律的なキャリア形成」 の参考として、部室長の「経歴」や「今の自分を形成した・変えた仕事経験」が分かるレポートを社内ポータルサイトで公開しました。部室長のキャリアは社員一人ひとりが自身のキャリア形成を考える際のヒントや材料になっており、今後、部室長だけでなく、より身近な存在に感じられるさまざまな社員のキャリア紹介へと拡大展開を予定しています。

ライフキャリアフォーラム開催

ライフキャリアフォーラムは、社員一人ひとりが自身のライフキャリアを見つめる・考える機会提供の施策として開催しています。私のキャリア(部室長レポート)を題材に、過去の大きな環境変化(転機)を現在の自分にどのようにつなげてきたのかを部室長達が語るトークセッションイベントを全社版と拠点版に分けて開催しています。

ジョブフェアの開催

自律的ライフキャリア形成の支援策として、22年11月にジョブフェアを開催しました。本社ビル28階「共創空間」とオンラインを組み合わせたハイブリッド形式で、31職場が発表を行い、参加者が自社に広がるさまざまな業務や役割への理解を深めました。2日間で延べ人数1,300名を超える社員が参加しました。

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社内での副業経験

社員が現職に在籍したまま、部室横断のプロジェクトや他部室の業務に携わる機会を提供しています。自身のキャリア形成に生かしていくとともに、社員が有する知見を、部室を超えて社内に展開することを目的としています。

社外での副業経験

社員が勤務時間外に、他の会社等の業務に従事する場合には、会社が定める順守事項に反していないことを人事部が確認したうえで、これを認めています。

出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ

リスキル/学習支援

DXリテラシー向上プログラム

当社はビジョンの実現に向けて事業構造改革を推し進めるに当たり、構造改革を実現する一つの手段としてDXの活用を挙げ、DXリテラシー向上プロジェクト(PJ Hope)を推進しています。

2022年度は4月より経営層、役職者、社員を対象としたeラーニング講座を展開し、DXリテラシーのボトムアップを図っています。

イノベーションを生み出す人財育成の取り組み
社内塾

2021年7月からイノベーションを生み出す人財育成のための打ち手として、社内塾を立ち上げました。「スマートよろずや塾」、「ビジネスデザイン塾」、「CNXセンター塾」の3つの塾を2021年度に1期、2022年度上期に2期を開催しました。座学だけで なく、ターゲット顧客へのインタビューなどのフィールドワークもカリキュラムに入れ、成果報告会ではその検証成果と今後の展望を発表しました。

2022年10月からは、スマートよろずや塾とビジネスデザイン塾を統合した「スマートよろずやデザイン塾」と「CNXセンター塾」の2つの塾に約40名が参加しています。いずれの塾もDXリテラシーと起業家マインドを備える人財育成の取り組みです。変化の大きい時こそイノベーションが生まれる絶好のチャンスと捉え、参加者間で新しい知恵を出し合い、価値共創を目指します。

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出光興産, 株式会社ディ・エフ・エフ