2020年度から新たな基幹人事制度(等級制度、育成・評価制度、報酬制度)を導入しました。2019年度からの制度説明会にて理解浸透を図り、加えて2020年度には、等級制度および育成・評価制度をわかりやすく解説した動画を社内ポータルサイトへアップロードし、人事制度の理解へのフォローアップを実施しました。
新しい育成・評価制度は、社員一人ひとりが評価の意味合いを感じられ、継続的な成長につながるよう設計しています。姿勢・職務遂行を評価する「能力評価」と、成果・貢献を評価する「目標達成評価」から成っており、上司との面談にて、目標設定や達成度、伸長能力などについて確認します。評価結果は、次の成長に結び付けるとともに、報酬(給与・賞与)や人員配置・異動に反映させています。評価は年1回実施、期中には中間面談を実施し、上司と相互に達成度の状況確認をする機会を設けています。
また報酬制度は、安心感、納得感を持って働くことができる制度として設計しています。社員の給与体系は、各自のライフスタイルや価値観を尊重しつつ、その家族の幸せも大事にするという考えから、発揮能力に対して安定的に支給する基本給と、前年度の業績や貢献に対する賞与(目標達成評価)、各種手当で構成しています。
等級は発揮能力の違いに基づき、M・E職の各4段階とG職の6段階で構成しています。
当社では、現在の職務・職場の満足度やキャリア計画、身上事項などを記入した「将来計画シート」を基に、年1回社員と上司が面談し、社員の希望や考えを共有します。そのうえで社員一人ひとりの育成の方向性を人事部が把握します。
加えて、当社は2030年ビジョン「責任ある変革者」を掲げ、エネルギーと素材の安定供給という使命を果たしつつ、カーボンニュートラルへの対応を成長機会と捉え、「事業構造改革」を推し進めています。
「社員一人ひとりの育成の方向性」に加え「事業構造改革の実現」に向けた最適な人員配置を行っています。
キャリアチャレンジ制度は、人財を求める部署が社内で募集し、社員が自発的に応募することで、異動につながる制度です。自身の強み・弱みおよびライフキャリアプランを見つめ直す機会として、自律的キャリア形成を促すとともに、やりがいの向上を図ることを目指しています。
本制度は2020年度よりスタートし、2022年度は約100件の募集を行いました。今後、さらに分野・職種を拡大し、部門を超えた人財交流の活性化を促進し、多様性に富んだイノベーションを起こす組織づくりに取り組んでいきます。
キャリア採用のスキームを通じて、一度自社を退社した方を再度社員として迎えています。再入社後は、異なる業界・企業で活躍した経験・スキルの提供を通じて、多様性に富んだ組織の構築に貢献いただいています。
多様な社員が働きやすい環境づくりとともに、通勤負荷の緩和にもつながるテレワーク勤務制度やフレックスタイム勤務制度、サテライトオフィスなどを整備しています。
2020年度にコロナ禍の緊急時対応として始めた就労時間フレキシビリティ拡大を2021年4月からは制度化し、より柔軟な就労環境を整えることができました。引き続きDXを活用した新しい働き方の推進のため、オンライン(コミュニケーション、会議)のガイドラインを制定し、社員が柔軟に勤務できる体制を整えています。
労働時間管理については、勤務管理システムにて役職者を含む社員の勤務実態を適切に把握するとともに、労働時間に対する意識付けを継続的に実施し、生産性向上につなげることを目指しています。2021年度は、時間外勤務平均時間数が増加しましたが、有給休暇取得を推奨し取得率が前年対比5.8%向上しました。
引き続き職場風土改善・やりがい向上を軸として、業務の効率化・生産性向上に向けて取り組むとともに、QoL(Quality of Life)向上を目指しています。
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
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一人当たりの時間外勤務平均時間数(時間/月) | 18.9 | 20.0 | 20.8 |
一人当たりの年次有給休暇取得実績(日) | 14.2 | 14.1 | 15.3 |
製造技術部門では、社員が「やりがい」を持って働き、競争力やエンゲージメントを高めていくことを目指し、「働く環境」「教育・育成」「業務効率化(DXの推進)」の視点で、本社と製造現場が連携して、多様で柔軟な働き方を推進しています。