当社グループでは、品質に対する基本的な考え方を「製品の安全性を確保し、人と環境にもたらす影響を最小化するため、提供する製品・サービスの開発から消費もしくは廃棄に至るまでのライフサイクルを考慮した品質保証活動を推進し、顧客満足度の向上や消費者保護に努めること」と定めています。また、品質に関する最上位の社内規程である「品質保証基本要綱」では、品質に関する基本的な考え方となる品質保証方針を以下の通り定めています。
当社グループ全体の品質面におけるガバナンス強化に向けたコーポレートの品質保証組織として、品質保証本部を設置しています。品質保証本部は、取締役会で選任された品質保証担当役員(取締役)を本部長、品質に関係する事業部門の部門長、関係会社の社長を本部員とし、安全環境・品質保証部が事務局を務め ています。品質保証本部は、全社的な品質保証活動の方針の制定、品質マネジメントシステムの維持・見直し・改善など重要事項を推進し、各事業部門は方針にのっとり自部門のPDCAサイクルを回しています。原則として年1回開催する品質保証本部会議で、進捗を管理するとともに、当社グループの次年度基本方針などを決定します。また、各部室の活動を向上させるため、品質監査を定期的に実施しています。
当社グループ内の各事業部門や関係会社では、お客さまや社会のニーズを満たす製品およびサービス品質の維持・向上に寄与する品質管理活動を、商品開発から製造、販売に至る各ステー ジで実施しています。また、各事業部門、関係会社ごとに品質マネジメントシステムが導入され、お客さまに提供する製品・サービス品質を担保しています。なお、当社グループ内の事業部門、関係会社におけるISO9001の認証数は32件となっています。(2023年6月30日時点)
潤滑油事業部門では、国内外の全ての自社基地でISO9001を取得しています。品質保証活動は事業の礎と位置付け、ISO9001品質マネジメントシステムを通して製品の品質向上を図っています。クレームの撲滅を目指し、クレーム・トラブルの未然防止の推進を継続しています。
「製品安全規則」に基づき、研究開発から販売に至る各ステージで製品の安全性をチェックしています。化学物質に関する各国の規制は頻繁に変化しており、スピーディーかつ確実な対応が求められます。当社グループは、製品に含有される化学物質の有害性情報を管理するツールを整備して、適用対象部門の拡大を図りながら、変化する国内外の法規制に確実に対応しています。
当社グループの製品安全情報については、法律に基づきSDS(安全データシート)を発行しています。なお製品には、GHS(化学品の分類および表示に関する世界調和システム)に従って危険有害性を分類し表記しています。また、ウェブサイト上で用途や商品名から検索し、製品安全情報を閲覧できるシステムを整備しています。
当社グループでは社員の品質意識の向上を目的とした教育・啓発活動を実施しています。各事業部門、関係会社における品質保証活動を推進すべく、品質保証担当役職者に対する研修会、化学物質管理に関わる法規制対応など専門性の高い内容の社内セミナーを開催し、グループ全体の品質保証活動の推進に役立てています。また、毎年11月の「品質月間活動」の行事として、品質講演会の開催や品質標語の募集、ポスターの掲示などを行い、社員一人ひとりが品質について考える機会としています。
製品の安全や品質に関する重大な問題が万一発生した場合は、「危機発生時の対応規程」にのっとり、社会的影響や被害を最小限にとどめるよう対応します。品質に関するクレームやお問い合わせは、お客さまセンターで受け付け、内容に応じて当社グループの関係部門と連携し、迅速に対応しています。なお、2022年は当社の子会社で品質不適切行為がありました。
当社の子会社である東亜石油(株)の京浜製油所ならびに昭和四日市石油(株)の四日市製油所が、それぞれ2022年5月に製品試験に関する不適切行為があったことを公表しました。お客さまや関係者の皆さまの信頼を損なう事態を招きましたことを、深く反省しております。
各事案につきましては、東亜石油ならびに昭和四日市石油がそれぞれ外部の専門家および独立社外取締役を委員とする特別調査委員会を組織し調査を委嘱しておりました。当該調査報告書につきましては、東亜石油ならびに昭和四日市石油のウェブサイトにて公表しております。特別調査委員会の指摘事項を踏まえ、当社では下記ウェブサイトに記載の改善策を検討・実行してまいります。