パートナーシップ

考え方

国内外に事業を展開している出光 グループは、サプライチェーン(供給網)の維持について、サプライチェーンマネジメント(SCM)の一環として平時より様々なリスク・対策を検討しています。

方針

パートナーシップ構築宣言 ロゴ

当社はサプライチェーンの取引先や価値創造を図る事業者の皆さまとの連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築することを宣言する「パートナーシップ構築宣言」を2022年6月に公表しました。
今後ともパートナーの皆さまと一体となって、サプライチェーン全体での持続可能な社会の実現に貢献します。

出光 パートナーシップ構築宣言

当社は、サプライチェーンの取引先の皆様や価値創造を図る事業者の皆様との連携・共存共栄を進めることで、新たなパートナーシップを構築するため、以下の項目に重点的に取り組むことを宣言します。
1. サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携
直接の取引先を通じてその先の取引先に働きかける(「Tier N」から「Tier N+1」へ)ことにより、サプライチェーン全体での付加価値向上に取り組むとともに、既存の取引関係や企業規模等を超えた連携により、取引先との共存共栄の構築を目指します。
(個別項目)
〇オープンイノベーションを利活用した企業間連携や、脱・低炭素化技術の共同開発に取り組む。
2. 「振興基準」の遵守
親事業者と下請事業者との望ましい取引慣行(下請中小企業振興法に基づく「振興基準」)を遵守し、取引先とのパートナーシップ構築の妨げとなる取引慣行や商慣行の是正に積極的に取り組みます。
① 価格決定方法
不合理な原価低減要請を行いません。取引対価の決定に当たっては、下請事業者から協議の申入れがあった場合には協議に応じ、労務費上昇分の影響を考慮するなど下請事業者の適正な利益を含むよう、十分に協議します。取引対価の決定を含め契約に当たっては、親事業者は契約条件の書面等による明示・交付を行います。
② 手形などの支払条件
下請代金は現金で支払います。手形で支払うことはありません。
③ 知的財産・ノウハウ
知的財産取引に関するガイドラインや契約書のひな形に基づいて取引を行い、片務的な秘密保持契約の締結、取引上の立場を利用したノウハウの開示や知的財産権の無償譲渡などは求めません。
④ 働き方改革等に伴うしわ寄せ
取引先も働き方改革に対応できるよう、下請事業者に対して、適正なコスト負担を伴わない短納期発注や急な仕様変更を行いません。災害時等においては、下請事業者に取引上一方的な負担を押し付けないように、また、事業再開時等には、できる限り取引関係の継続等に配慮します。
3. その他
当社は、「サステナビリティ方針」を定めており、パートナーの皆様と一体となって、サプライチェーン全体での持続可能な社会の実現に貢献します。

2022年6月7日
出光興産株式会社
代表取締役社長
木藤 俊一


「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト

ガバナンス

サステナビリティ方針・推進体制>ガバナンス

取り組み

特約販売店との協働

当社は、全国1,137店の特約販売店と協働し、約6,000カ所のサービスステーション(SS)を通じて強力なネットワークを形成し、各事業を展開しています。特約販売店と当社はポータルサイト「apollostationポータル」を活用し、コミュニケーションの向上に取り組んでいます。また全国の特約販売店が加盟する「全国apollo会」では、地域貢献や地域活性化を推進するなど社会貢献分野でも協働しています。
今後も、当社グループの技術やサービスに対するお客様の信頼感を高めるとともに、お客様のニーズを敏感に察知し、新たな付加価値を生み出し続けるべく、独自の資格認定制度や研修制度などを設けてスタッフの知識や技術の習得を強化していきます。

主な独自の資格認定制度

【出光テクニカルマスター制度】

産業用燃料油・潤滑油販売分野において、需要家ニーズに則したエネルギー総合提案が実践できる人材の育成を目的とした資格制度です。

●2022年度の認定者(単位:名)

有資格者
1級
2級
3級
燃料油
441
33
95
313
潤滑油
801
74
173
554
合計
1,242
107
268
867

※2009~2022年度、昇級や各部門の認定者数はのべ人数含む

【apolloロイヤルマネジャー制度】

ロイヤルマネジャー制度は、新たな時代におけるSSや店舗の経営を担う「店舗経営のプロフェッショナル」人材を育成する制度です。

●2023年7月末時点の累積認定者数(括弧内は2022年度の認定者数)単位:名

1級
2級
3級
319(17)
2,131(96)
8,403(553)

協力会社との協働

製油所・事業所は、プラントメンテナンス業務や、製品の入出荷業務を、多くの協力会社に委託しています。そして、各協力会社は出光安全協議会の下、業種ごとに組織する3つの協力会(建設保全協力会、陸上輸送協力会、海上輸送協力会)に所属して、当社と協働で安全活動に取り組んでいます。
千葉事業所の建設保全協力会では、当社従業員が監督者と共に施工現場へ赴き、工事環境の安全を確認するとともに、協力会社の作業員へ「ご安全に!」を合言葉に安全作業への意識高揚を図る「仲間のための思いやり声かけ運動」を展開しています。
陸上輸送協力会では、各輸送会社の管理者と定期的に会合を開催し、双方の気付きや要望事項を共有化し、改善を図ることで、安全荷役につなげています。
海上輸送協力会では、各船舶会社の管理者と共に、荷役設備の安全パトロールによって、現場に潜む危険の芽を摘み取る危険源発掘活動に力点をおいて活動を展開しています。

運送会社や海運会社との協働

サプライチェーン維持への取り組み

当社グループは、人々の生活の重要インフラである燃料油の供給において、他社との相互支援体制構築、グループ会社・協力会社との関係強化など必要な対策を最大限講じ、平時、緊急時にかかわらず、サプライチェーンの維持を担保しています。

運送会社や海運会社との協働

当社の石油製品輸送は、陸上と海上の各契約輸送会社によって担われています。契約輸送会社は、安全推進や各社間の連携強化を目的に海上・陸上別に安全に関する協議会を組織しており、当社も特別会員として活動に参加しています。陸上はタンクローリーによる輸送を担う契約運送会社31社による「光運会」にて安全キャンペーンや運行管理者研修会、無事故無違反乗務員の表彰などを行っています。海上は内航タンカーによる輸送を担う海運会社10社による「ISG海上環境安全協議会」にて安全キャンペーンや、安全活動方針・具体策の徹底と好事例・危険事例の横展開などを行っています。
当社は、現場に根差した安全活動に重点を置きながら、競争力のある物流体制の構築を目指しています。両協議会を通じた注意喚起だけにとどまらず、当社として実際に安全輸送に従事されるローリー乗務員・タンカー乗組員の皆さまの声・ご意見を聞き、労働環境の改善などに生かしています。

石油製品の陸上安全輸送・安定供給を支える「光運会」との連携強化

夏期安全キャンペーン

ローリー契約運送会社31社による陸上輸送の安全推進協議会「光運会」では、2023年5月11日に総会を開催し、2022年度の事故トラブル発生傾向を踏まえた2023年度の重点課題・活動を承認しました。総会に続き当社より、15年以上無事故無違反を達成した優秀乗務員の方々、2022年度年間の無事故を達成された運送会社を表彰し、彼らの功績を称えました。また、当会活動の一つとして、需要が高く気候環境が厳しくなる夏期、および年末年始に「安全キャンペーン」を開催しています。2023年7月実施の「夏期安全キャンペーン」では、全国43会場でのキックオフにて、当社関係者が運送会社関係者に激励の挨拶を行いました。

海上における安全輸送・安定供給に向けて「ISG海上環境安全協議会」との連携を強化

濃霧時期無事故キャンペーン

海運会社計10社が海上輸送の安全推進を行う「ISG海上環境安全協議会」では、2023年3月29日に年度総会を開催し、事故未然防止に向けた基本方針や活動スケジュールを確認しました。また、当協議会の活動として例年、事故リスクの高い濃霧時期、および年末年始に無事故キャンペーンを開催しています。2023年5月15日より2ケ月間に渡り開催された「濃霧時期無事故キャンペーン」では、当社および協議会各社の代表者が集まり、一致団結して無事故・無災害達成に取り組むことを宣言しました。当社は当協議会の安全活動を支援し、ともに内航タンカー船団の安全運航と石油製品の安定供給を遂行していきます。

パートナー企業との協働

当社は国内外の様々 な業種のパートナー企業と協働し、合弁会社の設立またはプロジェクト発足などにより事業展開をしています。国内では、基礎化学品事業などにおける合弁会社の設立や、日本グリース(株)との協業を開始し、R&D協業、製品ポートフォリオ最適化、販売チャネルなどの議論や、技術交流を重ねています。海外においては、ベトナムで合弁会社ニソンリファイナリー・ペトロケミカルリミテッド(NSRP)が、ニソン製油所を運営しています。機能化学品事業では台湾FPCC 社(Formosa Petrochemical Corporation)とIdemitsu Formosa Specialty Chemicals社を立ち上げ、水添石油樹脂を商業生産しています。

ソーラーフロンティア、千葉銀行とビジネスマッチング契約を締結

ビジネスマッチングイメージ図

ソーラーフロンティア(株)と(株)千葉銀行は、2020年10月に ビジネスマッチング契約を締結しました。これにより同行の取引先企業のうち、再生可能エネルギーの導入による環境経営の推進や収益向上といったニーズを持つお客様 を、ソーラーフロンティアへご紹介いただけることになります。自家消費型太陽光発電システムを導入すると、再生可能エネルギーを使用することが企業価値向上につながるだけでなく、太陽電池で発電した電気を売電せず自社設備で使用することになり、電気料金が削減できます。今後はさらに幅広いお客様に向けて、それぞれのお客様 に合った太陽光発電システムをはじめ、脱炭素化に向けたトータルソリューションを提案していきます。

産油国との交流・対話

2022年度の受け入れ研修

2022年度の受け入れ研修

当社は、中東をはじめとする産油国と強固な信頼関係を築くため、産油国に駐在事務所を設け、交流・対話を進めています。さらに近年は、資本参加による共同事業を行うなど、産油国との信頼関係を強化しています。
JCCP((一財)JCCP国際石油・ガス・持続可能エネルギー協力機関)の支援を受けて産油国に専門家を派遣するとともに、日本国内に幹部候補生や技術者を受け入れることで、産油国の人材育成・技術支援に協力しています。2022年度は、新型コロナウイルス感染症の影響が残った前半は、受け入れ研修は見送り、その代替としてアラブ首長国連邦およびカタールの研修生に対してリモート研修を実施しました。また、入国制限の緩和が進んだ年後半には、カタール、オマーンからの受け入れ研修を再開しました。
このような活動を通じて、各産油国の国営石油会社とは原油調達において更なる協働を推進し、マーケットの動きに対して製油所のパフォーマンスが最適となる原油を機動的かつ柔軟に選択、調達し輸送しています。

産学連携

東京大学との取り組み

東京大学との取り組み

当社は2007年2月から、エネルギー企業として地球社会を持続可能なものへ導く活動を積極的に行い、エネルギーの持続性戦略の構築に関わることを目的に、東京大学サステイナビリティ学連携研究機構(現:東京大学未来ビジョン研究センター)に研究員を派遣しています。
その一環として、地球環境やエネルギー問題を解決し持続可能な社会を目指す「サステイナビリティ学」推進のための新しい枠組みの産学連携研究「エネルギー持続性フォーラム」を運営しており、2019年2月25日には、第14回エネルギー持続性フォーラム公開シンポジウム「SDGsが目指す持続可能なエネルギー社会」を共催し、SDGsが目指す持続可能なエネルギー社会のあり方、その様な社会づくりを推進するための取組について、有識者や実務者による講演とパネルディスカッションを通じて議論しました。

東京大学未来ビジョン研究センター ウェブサイト 東京大学未来ビジョン研究センター エネルギー持続性フォーラム ウェブサイト

中央大学大学院ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクトへの参画

当社は、2020年度より「中央大学ワーク・ライフ・バランス&多様性推進・研究プロジェクト」に参画しています。本プロジェクトは、ワークライフバランスおよび多様な人材が能力を発揮できる職場や社会の実現に向けた具体的な取り組みの調査や情報交換を行うことを目的として、2008年に発足しました。当社は、ワークライフバランス、働き方、DE&I推進について先進的な取り組みをされている企業の情報を収集し、専門家からのアドバイスや他社との交流により、社内のDE&I推進に生かしています。

中央大学大学院ワーク・ライフ・バランス& 多様性推進・研究プロジェクト ウェブサイト