当社は、2021年5月公表の見直し中期経営計画において2030年ビジョン「責任ある変革者」を定めました。本中期経営計画(2023~2025年度)策定に当たって2050年のカーボンニュートラル・循環型社会の実現に向けては、さらにその先のエネルギーの未来と当社のありたい姿について「長い時間軸」で捉える必要があると判断し、新たに2050年ビジョンを策定しました。2030年に向けて「責任ある変革者」として進める打ち手を、2040年、2050年と着実に具現化し、「社会実装」していくことを「変革をカタチに」と表現しました。
2050年は、世界的なカーボンニュートラルの潮流が加速していく中、エネルギーシステムや社会構造が大きく変化している可能性が高いと考えます。その過程においては、非連続的な技術革新など多くの課題が発生するとともに、新たな技術を社会に受け入れられる形にして届ける担い手が求められます。
当社は、このような社会課題や環境変化に対し、エネルギーの安定供給で培ってきた知見や、地域社会との信頼関係をベースにしながら、社会実装を推進していくことで「人びとの暮らしを支える責任」と「未来の地球環境を守る責任」を果たしていきます。
当社は、今後も経営の透明性を向上し、健全で持続的な成長を図ることにより、お客さまをはじめ、株主、ビジネスパートナー、地域社会、社員等のステークホルダーとの良好な関係を構築していくことを重視していきます。
コーポレートガバナンス・コードは、株主との対話を通じて会社の持続的成長と中長期的な企業価値を向上させようというものです。当社は、「広く社会で期待され信頼される企業」を目指しており、コーポレートガバナンス・コードを基本的に遵守すべきものと考えています。
多様な知見やバックグラウンドを持つ独立社外取締役、独立社外監査役と当社の経営の実態や経営をめぐる環境を率直に議論し、意見を真摯に取り入れ、これからも透明かつ公正な経営を目指します。
当社は、取締役会において経営の重要な意思決定および業務執行の監督を行うとともに、監査役会設置会社として、取締役会から独立した監査役と監査役会により、職務執行を監査します。取締役会は、法令、定款、その他当社の規程の定めるところにより、経営戦略、経営計画その他当社の経営の重要な意思決定および業務執行の監督を行います。また、取締役会議長を社長が務める旨を規定していた定款を2019年4月に変更し、取締役会で議長を決定することで、議長と社長の役割を分離し、取締役会の客観性を高めています。なお、2021年度から社外取締役が取締役会議長を務めています。
その他の事項については、業務執行に関する権限を、社長および部室長に委譲することで、迅速な意思決定を図っています。
議長 | 橘川武郎 (社外取締役) |
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取締役人数 | 11名 | |
うち独立社外取締役(比率) | 4名(36%) | |
うち女性(比率) | 2名(18%) | |
任期 | 1年 | |
2022年度開催数 | 15回 |
監査役人数 | 4名 | |
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うち社外監査役(比率) | 2名(50%) | |
任期 | 4年 | |
2022年度開催数 | 16回 |
指名・報酬に関わる機能の透明性・客観性を高めるため、取締役会の諮問機関として、独立社外取締役のみで構成される「指名・報酬諮問委員会」を設置しています。2021年7月から、指名・報酬にかかる議題について一貫性を持った議論を行うため、指名諮問委員会と報酬諮問委員会を一本化しました。
指名については、取締役会の諮問に応じて取締役・監査役の選解任に関する株主総会議案、役付執行役員の選解任等について、答申します。
報酬については、取締役会の諮問に応じて、取締役の報酬額、報酬制度の改定等について答申します。
2022年度は計7回の指名・報酬諮問委員会を開催しました。
地位 | 氏名 | 出席状況 | |
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委員長 | 社外取締役 | 小柴 満信 | 7回/7回 |
社外取締役 | 橘川 武郎 | 7回/7回 | |
社外取締役 | 野田 由美子 | 7回/7回 | |
社外取締役 | 荷堂 真紀 | 6回/7回 |
指名 | 報酬 |
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社外取締役 | 橘川 武郎 | |
社外取締役 | 野田 由美子 | |
社外取締役 | 荷堂 真紀 | |
委員長 | 社外取締役 | 鈴木 純 |
経営の透明性・健全性を維持するため、取締役会または社長の諮問機関として、社外の有識者を委員とする「安全保安諮問委員会」「アドバイザリーボード」を設置しています。両委員会では、当社に対する第三者の視点から忌憚のない意見を傾聴し、経営の改善に反映しています。
「安全保安諮問委員会」は、取締役会の諮問機関として、製油所・事業所の大規模災害防止を目的に設置しています。保安の強化課題、特に技術的な課題に対する諮問機関として設置しているものです。昨今の経営環境の変化により、事業拡大、新規事業、海外展開等の安全保安の確保の重要性が高まりつつあります。そこで、事業展開に則したテーマを選択し、都度、有識者から提言をいただけるよう安全環境本部内に担当ワーキンググループを設け、進めています。
「アドバイザリーボード」は、メンバーを社外取締役を含む社外有識者で構成し、社長の諮問機関とすることで、経営課題に対し社外取締役などからの提言機会の拡充につながっています。
執行役員等の適材適所の配置と公平公正な評価の実現および決定プロセスの透明性強化のため、代表取締役社長の諮問機関として人事委員会を設置しています。代表取締役社長、副社長、人事管掌役員および代表取締役社長が指名する役員をメンバーとし、執行役員等の選解任、経営委員会委員の選任等について協議し、答申します。
多様な従業員が生き生きと働き、活躍できる環境を作り、新たな価値を共創するため、社長の諮問機関としてDE&I推進委員会を設置しています。DE&I推進委員会は取締役、人事担当執行役員の他、性別・職種など属性が異なる多様な役職者で構成し、アドバイザーとして社外取締役も参画しています。DE&I推進に関する課題の抽出と経営陣への提言、取締役会への定期的な報告、その他全社横断的な取り組みの企画・推進を行っています。
グループ全体および各執行部門の経営戦略および経営課題の協議・検討の場として「経営委員会」と「リスク経営委員会」を設置しています。「経営委員会」はグループ経営に関わる戦略を立案・検討するとともに、重要な業務執行の意思決定を円滑かつ適正に行うための審議機関であり、また「リスク経営委員会」はグループ経営に関わるリスクマネジメント方針の決定とモニタリングを行うための機関です。
「経営委員会」および「リスク経営委員会」の委員長には社長が当たるものとし、その委員については、専門分野や管掌領域の多様性を重視した構成とすることで、部門横断的な課題やリスクについて、網羅的、かつ実効性のある議論を行う体制としています。
「経営委員会」および「リスク経営委員会」の下部には、業務執行、およびリスクマネジメントの課題を、より実務的、かつ専門的な見地で審議を行うことを目的に、各専門領域ごとの委員会を設置しています。
なお、「リスクマネジメント委員会」と「コンプライアンス委員会」について、議論の更なる一貫性と実効性向上のため、2022年4月に両委員会を統合し「リスク・コンプライアンス委員会」としました。
委員会名 | 委員長 | 委員 | 開催 | 役割 |
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経営委員会 | 社長 | 委員長が人事委員会の審議を経た上で任命する委員 | 原則 3回/月 |
グループ全体ならびに各執行部門の経営戦略および経営課題の協議・検討、業務執行の審議 |
リスク経営委員会 | 社長 | 委員長が任命する委員 | 原則 2回/年 |
グループ全体ならびに各執行部門の経営戦略及び経営課題の協議・検討、リスクマネジメント方針の決定とモニタリング |
リスク・コンプライアンス委員会 | 総務管掌役員 | 関係部室長 | 原則 4回/年 |
業務リスクマネジメント推進のための重要方針の審議、立案およびコンプライアンス懸念事例の対応やコンプライアンス推進活動計画、活動状況のモニタリング |
情報開示委員会 | 広報部長 | 関係取締役、執行役員および部室長 | 必要に応じて開催 | 制度開示情報等の開示の決定 |
投融資委員会 | 経営企画部長 | 関係部室長 | 必要に応じて開催 | 投融資に係る事項の審議・上申および投資基準等の策定 |
デリバティブ委員会 | 総務部長 | 関係部室長 | 必要に応じて開催 | デリバティブ監査およびグループ全体のリスク管理状況の確認・報告 |
プロキュアメント委員会 | 調達部長 | 関係部室長 | 必要に応じて開催 | サービス・原材料等の発注に係る事項の審議・検討 |
与信委員会 | 総務部長 | 関係部室長 | 原則 1回/月 |
不良債権の回収対策等および債権管理に関する基本方針の制定等 |
研究開発委員会 | 知財・研究管掌役員 | 関係部室長 | 原則 4回/年 |
全社研究開発の方向性、戦略および課題に関する事項の検討 |
人事委員会 | 社長 | 社長、副社長、人事管掌役員および代表取締役社長が指名する役員 | 必要に応じて開催 | 役員の選解任・配置・評価や経営委員会メンバー選任などについて、決定プロセスの透明性・公平性・公正性を高める |
DE&I推進委員会 | 副社長 | 取締役、人事担当執行役員の他、性別・職種など属性が異なる多様な役職者で構成し、アドバイザーとして社外取締役も参画 | 原則 1回/月 |
DE&I推進に関する課題の抽出と経営陣への提言、取締役会への定期的な報告、その他全社横断的な取り組みの企画・推進 |
2022年度は、2023~2025年度を対象とした中期経営計画を公表しました。その策定にあたっては、計画検討の初期段階から、取締役会にて集中的に議論して、重要テーマの設定等の方向性を定めました。更に、社外役員ミーティングおよびアドバイザリーボード等を活用し、経営委員会等との連携も図りながら、取締役会における議論を深めたうえで、中期経営計画の策定につなげました。
取締役会での議論の一層の充実を図るため、独立社外取締役と独立社外監査役のみで構成される社外役員ミーティングを年5回実施し、以下の内容等について情報交換および認識共有しました。
取締役・監査役全員を対象としたアンケートを2023年1月に実施しました。当結果に基づき、前年度に抽出された課題に対する、2022年度の取り組みを評価するとともに、取締役会において3回にわたり討議のうえ、今後の課題の抽出および取り組み内容を確認しました。
なお、アンケートについては、コーポレートガバナンス・コードへの適合確認の観点に加え、質的充足を目指す観点も踏まえて実施し、質問項目の設計および回答分析は、外部専門機関の助言を得て行っています。
2021年度抽出された課題 | 取り組みの内容 |
---|---|
中長期を見据えた課題設定 | 前回評価で抽出した「中長期を見据えた課題設定」につ いては、中期経営計画に関する議論をはじめ、2050年カーボンニュートラル実現に向け、事業構造改革のための新規事業の方向性等、中長期の戦略課題につき、引き続き、議論・意見交換を行いました。 |
今後の経営判断に資する情報提供等のより一層の充実 | 「今後の経営判断に資する情報提供等のより一層の充実」については、社外役員ミーティングにおいて、社外役員からの提案に基づき、当社におけるDX戦略の進捗確認や先進マテリアルカンパニー等の成長戦略についても実施しました。更に、ウクライナ情勢等に伴い、重要性を増している地経学・経済安全保障等の最新動向について、2021年度に引き続き、外部の専門家を招聘して役員トレーニングを実施する等、将来想定される環境変化への備えを着実に進めてきました。 |
2022年度抽出された課題 | 今後の取り組み |
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経営課題への対応 | 中期経営計画の進捗を確認するとともに戦略課題の討議を通じて、中長期の経営課題の達成に向けた議論を深めていきます。そのプロセスの一環として、社外役員ミーティングにおいても、これまで以上に戦略議論に資する情報の共有を図り、多様な専門的知見からの指摘、助言等をより一層得ながら、進めていきます。 |
株主・投資家対応 | 当社事業への理解を深めていただくために、個人株主向けプラットフォームを創設する等、情報発信力を更に向上させるとともに、中長期的な企業価値の向上に向け、社外取締役とアナリスト・機関投資家との議論を増やす等の取り組みを通じて、株主・投資家とのコミュニケーションを質・量ともに充実させていきます。 |
取締役候補者については、人財基準を定めるとともに、取締役会の構成において、必要な知識・経験・能力の多様性を確保するため、スキル・キャリアマトリックスを作成し、選考基準の1つとしています。
取締役候補者の選任に当たっては、社内外を問わず、各候補者の能力や知見、パフォーマンスを十分評価した原案を社長が指名・報酬諮問委員会に上程し、取締役会が指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえて決定しています。
また、指名・報酬諮問委員会は、取締役の評価を踏まえ、代表取締役社長を含む取締役の解任につき審議し、結果を取締役会に答申します。
監査役候補者については、適切な経験・能力および必要な財務、会計または法務に関する知識を有する者を選任します。常勤監査役候補者については、さらに当社の事業やその課題を熟知し、当社の監査・監督を的確、公正かつ効率的に遂行することができる者を選任します。また、監査役会においても、知識・経験・能力の多様性が重要であるとの観点から、2022年度より監査役のスキル・キャリアマトリックスも開示しています。
監査役候補者の選任に当たっては、社長が代表取締役全員と議論したうえで、常勤・社外を問わず、各候補者の能力・知見・パフォーマンスを十分評価した原案を、指名・報酬諮問委員会の答申を踏まえ監査役会の同意を得て、取締役会に上程します。
長期計画に基づいた次世代役員候補者の選抜と育成について、独立社外取締役で構成される指名・報酬諮問委員会にて、審議し、取締役会に答申する仕組みを採用しています。現在、社長のサクセッションプランをはじめとする候補者の選抜と育成に取り組んでいます。
当社は取締役会が監督機能を発揮するため、当社の「社外役員の独立性基準」を満たす者の中から多様な知見やバックグラウンドを考慮し、当社の経営に有益な助言を行い得る知識と経験を有する社外役員を選任しています。なお、独立社外取締役は取締役の3分の1以上、独立社外監査役は監査役の半数以上とすることを基本方針としています。
当社は、エネルギーの安定供給という社会的使命を全うしつつ、2050年カーボンニュートラル社会の実現に貢献し、かつこれを事業機会として捉え、持続的成長を続ける企業体へ進化していきたいと考えています。そのためには、取締役会において、多様な知識・経験等を有する取締役および監査役が活発に討議し、人財戦略を含む経営戦略全般について、議論の質を高めていくことが極めて重要です。
当社は、2020年に取締役のスキルマトリックスを作成・開示した以降も、直面する経営課題に照らして適宜見直しを実施してきました。
2023年に中期経営計画(2023~2025)に基づき、取締役および監査役に期待される分野の見直しを行い、改めて以下に掲げる分野を選定したうえで、多様性に留意しながら、これらの分野の知識・経験等を有する役員を選任しています。
取締役会構成メンバーでは不足する領域(経済安全保障等の高度な専門性が求められる分野)の課題については、アドバイザリーボードおよび役員トレーニングにおいて外部の専門家を招聘することで補完しています。
視点 | 期待分野 | 期待分野として選定した理由 |
---|---|---|
変革をリードする視点 | 企業理念・経営戦略 | 当社の経営目的・存在意義を深く理解、実践し、非連続な経営環境において経済安全保障、SDGs、DX等の観点も踏まえ、2050年ビジョン実現に向けて経営の舵取りを行うことが求められる。 |
人財開発・DE&I | 人財戦略で目指す「どのような未来が来ても、しなやかに、逞しく、未来を切り拓く人財集団」を実現するために、人財育成の推進、DE&Iの深化が求められる。 | |
共創・国際ビジネス | 2050年ビジョン実現に向け社会実装力を高めるために、国際視点も踏まえ、多様なパートナーと共創関係を構築することが求められる。 | |
事業経営を支える視点 | 製造・研究 | 製造における安全環境面や技術的な知見、革新的な先進テクノロジー動向や研究領域の知見が求められる。 |
営業・供給 | 各事業での営業や販売、リテールマーケティングに関する知見、調達や供給の知見が求められる。 | |
ガバナンス・法務 | 株主視点のガバナンスや事業運営に係るリスクマネジメント、法務の知見が求められる。 | |
財務・会計・税務 | 資本効率性や収益性確保に資する財務、会計、税務の知見が求められる。 |
氏名 | 在任 期間 |
当社が取締役に特に期待する分野 | 期待分野の選定理由 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
企業理念・ 経営戦略 |
人財開発・DE&I | 共創・ 国際 ビジネス |
製造・ 研究 |
営業・ 供給 |
ガバナンス ・法務 |
財務・ 会計・ 税務 |
|||
木藤 俊一 再任 |
10年 | ● | ● | ● | ● | 社長として経営統合を牽引、経理部門・人事部門・燃料事業部門担当取締役経験による見識等から、2050年ビジョン実現に向け、成長戦略策定、遂行の牽引が期待できる。 | |||
丹生谷 晋 再任 |
3年 | ● | ● | ● | 副社長としての経営経験、サステナ・モビリティ・地域コミュニティ戦略担当役員としての見識、D&I推進委員長の経験、上場企業内部監査室長経験による専門性等から当社事業やその課題を熟知しており、戦略遂行の牽引が期待できる。 | ||||
平野 敦彦 再任 |
3年 | ● | ● | ● | 事業会社社長経験、経営企画担当役員としての見識、ソーラー・燃料油部門要職での豊富な国際ビジネス経験等から、共創関係の構築を含む当社事業の構造改革の推進が期待できる。 | ||||
酒井 則明 再任 |
2年 | ● | ● | ● | 経理・財務部門歴任による深い知見と専門性、人事部門経験による見識等から、事業構造改革や人的資本投資をはじめとする当社の持続的発展に向けた経営基盤強化の推進が期待できる。 | ||||
澤 正彦 再任 |
1年 | ● | ● | ● | 中長期の経営戦略立案・国際ガス事業経験・技術動向や研究開発マネジメントの見識・環境(CCS)や資源循環の知見、製造・供給の高度な専門性、社会実装に向けたサプライチェーン構築の見識等から、技術系経営者として事業構造改革の推進が期待できる。 | ||||
出光 正和 再任 |
4年 | ● | ● | 創業家出身として経営の原点や当社の存在意義に関する深い理解、主要株主としての長期的なガバナンスの視点から、当社の経営哲学に基づく持続的な発展、経営基盤の強化に期待ができる。 | |||||
久保原 和也 再任 |
4年 | ● | ● | 弁護士としての企業法務や社会問題等に関する専門性、不動産事業関連への精通から、多角的なガバナンス視点に基づく経営基盤の強化が期待できる。 | |||||
橘川 武郎 再任 社外独立 |
6年 | ● | ● | ● | 経営学、特にエネルギー産業論の専門家として国内外のエネルギートランジションに関する動向や関連する先進技術等への見識、および企業経営に関する充分な見識から、社外取締役として当社の経営基盤の強化や事業構造改革に向けた監督が期待できる。 | ||||
野田 由美子 再任 社外独立 |
2年 | ● | ● | ● | 環境系グローバル企業での経営経験と幅広い見識、国内外金融機関でのファイナンスに関する見識等から、社外取締役として当社の経営基盤や国際ビジネスの強化、事業構造改革に向けた監督が期待できる。 | ||||
荷堂 真紀 再任 社外独立 |
2年 | ● | ● | ● | 飲料系グローバル企業での重要ポスト歴任による経営経験、DE&Iの実践、リテールマーケティングの豊富な経験および幅広い見識等から、社外取締役として人的資本投資の強化、事業構造改革に向けた監督が期待できる。 | ||||
鈴木 純 新任 社外独立 |
- | ● | ● | ● | ● | 化学系グローバル企業での社長・会長経験による企業経営とガバナンスの知見、化学や医薬等の幅広い事業および関連する技術の知見から、社外取締役として当社の経営基盤の強化や事業構造改革に向けた監督が期待できる。 |
氏名 | 在任 期間 |
当社が取締役に特に期待する分野 | 期待分野の選定理由 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
企業理念・ 経営戦略 |
人財開発・DE&I | 共創・ 国際 ビジネス |
製造・ 研究 |
営業・ 供給 |
ガバナンス ・法務 |
財務・ 会計・ 税務 |
|||
吉岡 勉 | 2年 | ● | ● | ● | 事業会社社長経験・上場企業監査役経験・情報システム部門執行経験・販売部門責任者経験等から、戦略を支える経営基盤、DX分野における監査が期待できる。 | ||||
児玉 秀文 | 1年 | ● | ● | ● | 中長期の経営戦略立案経験・財務管理責任者経験・国際資源および石炭事業マネジメントの経験等から、財務・会計や国際ビジネスの視点における監査が期待できる。 | ||||
伊藤 大義 社外独立 |
11年 | ● | ● | ● | 上場企業での豊富な社外監査役経験・公認会計士として上場会社の税務・財務への精通・グローバル事業の監査経験等から、社外監査役として戦略を支える経営基盤、国際ビジネスの視点における監査が期待できる。 | ||||
市毛 由美子 社外独立 |
1年 | ● | ● | 弁護士として上場企業のガバナンスに精通・女性活躍を積極推進・知財分野に精通し特許庁審議会委員の経験等から、社外監査役として戦略を支える経営基盤における監査が期待できる。 |
当社は、取締役・監査役の就任時に、上場会社の取締役・監査役として期待される役割・責務・コンプライアンスに関する知識習得を目的とする研修を実施しています。
また、当社の独立社外取締役・独立社外監査役に新たに就任する者に対しては、当社の事業・財務・組織などを説明することとし、その役割・責務を果たせるよう環境の整備に努めています。さらに当社は各取締役・監査役による自己研鑽を奨励し、個々の取締役・監査役に適合したトレーニングの機会を提供・斡旋するとともに、必要経費について広く支援を行うこととしています。
当社の取締役等(取締役および上席以上の執行役員)の報酬については、グループ経営ビジョンの実現に向けて、会社業績ならびに中長期にわたる企業価値向上につながるものとすること、またお客さまをはじめ、社会・環境、株主、ビジネスパートナー、社員などのステークホルダーに対し説明責任が果たせるよう、透明性・合理性・公正性を備えた報酬体系、決定プロセスとすることを基本方針としています。当該基本方針に基づき、当社の役員報酬制度は、以下の内容としています。
当社の中長期的な業績や企業価値の向上に対する取締役等の貢献意識をさらに高めることを目的に報酬制度の見直しを行い、本中期経営計画等と取締役等の報酬の連動性を強めるよう、制度改定しました。
固定報酬比率を引き下げるとともに、業績連動報酬の指標を事業ポートフォリオの転換と資本効率性の強化、および環境・社会・ガバナンスへの取り組みのさらなる発展に連動するようにしました。
(業績連動型株式報酬制度は2023年6月の株主総会にて改定しました。)
中長期経営ビジョンの実現に資する優秀な人財の登用・確保および適切なインセンティブ性の観点から、経営環境の変化や外部調査データ等を踏まえて、適宜・適切に見直ししています。
当社は取締役会の諮問機関として、独立社外取締役で構成する指名・報酬諮問委員会を設置しています。 同委員会の答申を受け、取締役会において取締役の報酬額またその算定方法等を決定しています。また、監査役の個別の報酬等は、監査役の協議で決定しています。なお、役員報酬等は、株主総会において決議された報酬等の上限の範囲内で支給します。
当社の取締役(非常勤取締役および社外取締役を除く)および上席以上の執行役員の報酬体系は、短期および中長期の時間軸における業績連動性をそれぞれ重視し、中長期的な企業価値向上に向けた経営努力を適切に評価するために、①固定報酬、②業績連動賞与、③業績連動型株式報酬で構成しています。なお、非常勤取締役および社外取締役の報酬は、客観的な立場から業務執行の妥当性を判断するという監督機能を適正に確保する観点から、固定報酬のみの構成としています。
報酬区分 | 社内取締役/上席以上執行役員 | 非常勤/社外取締役 |
---|---|---|
固定 | ● | ● |
業績連動(賞与) | ● | - |
業績連動(株式) | ● | - |
報酬等の種類 | 業績評価指標 | 概要 | |||
---|---|---|---|---|---|
指標 | 評価 ウェイト |
||||
固定 | 固定報酬 | - | - | 役割や職責に応じて定められた報酬額を月次で支給します。 | |
変動 | 短期 | 業績連動賞与 | 収益性指標※ | 40% | 0~50%の範囲で支給額が変動する設計で、毎年6月に支給します。 |
人的資本関連指標 | 20% | ||||
行動目標(取締役)/担当分野目標(上席以上執行役員)の達成度 | 40% | ||||
中長期 | 業績連動型株式報酬 | 資本効率性指標(ROIC・ROE) | 40% | 株主との価値共有と持続的な企業価値向上の観点から、2030年ビジョンおよび本中期経営計画との連動を特に重視しています。事業ポートフォリオ転換に関連する財務指標、マテリアリティに沿った非財務指標の目標達成度に応じて、0~50%の範囲で変動する設計です。 取締役等に対して中長期的な視点で企業価値の向上を促すインセンティブとする観点から、毎年6月に株式ポイントが付与され、退任後に株式を交付しています。 |
|
化石燃料事業収益比率 | 20% | ||||
CO₂削減 (CN、循環型社会の実現に必要不可欠) |
20% | ||||
従業員エンゲージメント (従業員の成長・やりがいの最大化の達成に向けた取り組みを評価) |
20% |
取締役等に重大な不正・違反行為等が発生した場合、当該取締役等に対し、業績連動型株式報酬における交付予定株式の受益権の没収(マルス)、交付した株式等相当の金銭の返還請求(クローバック)ができることを定めています。
2022年度の取締役の報酬の総額、報酬などの種類別の総額および対象となる役員の員数は以下の通りです。
区分 | 人数 (名) |
固定報酬 (百万円) |
業績連動報酬(百万円) | 報酬等の 総額 (百万円) |
|
---|---|---|---|---|---|
現金報酬 | 株式報酬 | ||||
取締役 (社外取締役を除く) |
8 | 326 | 112 | 129 | 568 |
監査役 (社外監査役を除く) |
3 | 62 | - | - | 62 |
社外取締役・社外監査役 | 7 | 92 | 0 | - | 92 |
合計 | 18 | 481 | 113 | 129 | 723 |
氏名 | 役員区分 | 会社区分 | 固定報酬 (百万円) |
業績連動報酬(百万円) | 報酬等の 総額 (百万円) |
|
---|---|---|---|---|---|---|
現金報酬 | 株式報酬 | |||||
木藤 俊一 | 取締役 | 提出会社 | 90 | 33 | 38 | 162 |
丹生谷 晋 | 取締役 | 提出会社 | 62 | 23 | 26 | 111 |
当社は、経営監視の仕組みとして、取締役会による監督、監査役監査、会計監査のほか、専属スタッフからなる各執行部門から独立した社長直轄の「内部監査室」を設置し、「内部監査規程」に基づく内部監査および「財務報告に係る内部統制評価規程」に基づく内部統制評価を行っています。内部監査室は国内外の事業所、関係会社の内部監査を実施しています。監査結果は社長、監査役、対象執行部門の長および管掌する執行役員に報告しています。また、独立社外取締役・独立社外監査役に対しても社外役員ミーティングにて内部監査・内部統制評価の取り組み方針および結果の報告を行っています。内部監査により改善および改善検討の提言を受けた執行部門は、改善実行計画書を作成し、内部監査室長へ提出するとともに改善を行います。また、内部監査室が必要に応じてフォローアップ監査を実施しています。
日付 | 研修名 | 対象者 | 備考 |
---|---|---|---|
2020年 6月 |
J-SOX(内部統制)評価研修会 | 当社グループのJ-SOX担当者・責任者 約111名 |
J-SOX概要および当社のJ-SOX実務の基礎知識習得や、最近の不正事案対応への理解促進を目的に毎年開催 |
2020年 2月 |
第2回内部監査部門研修会 | 関係会社10社の内部監査部門責任者 | コンプライアンスやリスクマネジメントなどに対する内部統制強化を目的に開催 |
監査役(4名)は、取締役会への出席と定時株主総会に提出する事業報告、計算書類および連結計算書類の監査を実施するほか、日常的に取締役などの業務執行状況の監査を実施しています。常勤監査役は、経営委員会などの社内の重要会議に出席するとともに、部門長、海外店長および子会社社長との面談を通じて、社外監査役は、主要部門の往査などを通じて、監査の充実を図っています。代表取締役とは、原則として四半期に1回ミーティングを開催し、課題の討議の場としています。
当社は、中長期的な取引の維持、拡大のために必要と判断した政策保有株式を保有していますが、年1回、次の方法で政策保有株式の保有の適否を検証し、縮減を進めています。すなわち、株式保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているかの定量評価および事業安定性向上などの定性評価の両面で精査し、取締役会で審議のうえ、売却の適否を判断します。なお、売却と判断した銘柄については、取引先と十分な対話をし、理解を得た後、株価への影響を考慮して売却を進めています。
なお、2021年度末時点の政策保有上場株式保有数は、2020年度末比5銘柄減少し13銘柄となりました。
当社は、政策保有上場株式に係る議決権について、当社と政策保有先双方の企業価値を持続的に向上させるかどうかを基準に行使することを方針としています。政策保有先が持続的に企業価値を向上できるか否かについては、政策保有先の経営戦略、業績などを考慮して判断するものとし、議案の内容によっては、説明を受けたうえで議決権を行使します。政策保有先の議案と当社の利益が相反する恐れがある場合において、当社は、独立社外取締役、社外の専門家の意見を踏まえて必要に応じて議決権を行使します。